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1986 年度 実績報告書

体外式肺補助法(ECLA)による新生児急性重症呼吸不全治療法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480334
研究機関熊本大学

研究代表者

寺崎 秀則  熊本大, 医学部, 助教授 (30040562)

研究分担者 田上 正  熊本大学, 医学部附付病院, 助手 (60145323)
津野 恭司  熊本大学, 医学部附付病院, 講師 (40163860)
キーワード呼吸不全 / 膜型人工肺 / 体外循環 / 未熟児 / 新生児 / IRDS / V-Vバイパス
研究概要

1.安全な体外式肺補助の開発(1)脱送血カテーテルの完成:カテーテル先端部による血管ならびに心房壁損傷を防止するため、先端部が軟らかいポリウレタンのシンウォールカテーテルを作製できた。軟らかいため静脈内挿入が若干困難であるが、このカテーテル使用以後、カテーテル先端による血管損傷事故をなくすることができた。今後は、カテーテル位置確認のためX線不透過のマークを付ける必要がある。(2)最適ジェット送血量:子ブタに本法を実施しながらガス交換補助効果を呼吸モニターで観察すると、一回のジェット送血量を多くしてバイパス血流量を高く維持した方が良いことが判った。また送血血液の直接脱血つまり再循環量も少なくなる。しかし、一回送血量が10ml以上になると、子ブタの心臓容積が送血に一致して急増し同時に胸郭腹部も膨隆して良くなかった。最適の一回送血量は、5〜7mlのようである。(3)体外循環回路と装置の機械的耐久性:回路チューブをポリウレタンにすることで1カ月間の連続使用が可能になった。このように長期ECLAの方法と装置は、安全性において実用可能となった。
2.呼吸不全に対する体外式肺補助の応用(1)未熟胎仔ヤギにおける応用:帝王切開で分娩した未熟胎仔ヤギ4例にECLAを応用し、自己の力でガス交換ができるようになるまで補助した。超未熟胎仔(118日)例を除いて他の3例では安全にECLAを実施でき、呼吸機能成熟を待って離脱しえた。(2)臨床応用:生後3日目のIRDS症例にECLAを応用した。重症のIRDSでベンチレーター治療による圧外傷と炭酸ガス畜積(Pa【CO_2】150torr)のため生命の危険があった。3日間のECLAで救命できた。しかし、頭蓋内出血を合併した。出血はECLAの最大の合併症である。最近外国で、体外循環回路にヘパリンを結合することにより、出血しないECLAの方法が開発されたので、日本への早急な導入と臨床治療が是非必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 大津哲郎: 人工臓器. 15. 932-936 (1986)

  • [文献書誌] 津野恭司,: ICUとCCU. 10. 693-698 (1986)

  • [文献書誌] 寺崎秀則: 麻酔. 35. 838-841 (1986)

  • [文献書誌] 津野恭司: 麻酔. 35. 1528-1535 (1986)

  • [文献書誌] 大津哲郎: 日本胸部疾患学会雑誌. 24. 1131-1134 (1986)

  • [文献書誌] Hidenori Terasaki: Critical Care Medicine. 15. 84-84 (1987)

  • [文献書誌] 寺崎秀則: "今日の治療指針28〔膜型人工肺(ECC【O_2】Rを含む)〕" 医学書院, 1060 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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