研究課題/領域番号 |
61480336
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大村 昭人 帝京大, 医学部, 助教授 (80129981)
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研究分担者 |
守安 信明 帝京大学, 医学部麻酔科, 助手 (60130043)
片桐 淳 帝京大学, 医学部麻酔科, 助手 (80177394)
本間 生夫 昭和大学, 医学部第2生理学, 教授 (20057079)
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キーワード | 上位肋間振動刺激 / 胸壁振動 / 横隔膜機能 / 機能的残気量 / 肺容量 / 換気量 / 上腹部手術 / 肺合併症 |
研究概要 |
上腹部手術直後に起る著しい肺活量の減少に加えてFRCが時間と共に低下して行く謂る拘束型の肺機能障害には横隔膜の機能不全が関係して居りこれが術後の肺合併症の原因と考えられている。この横隔膜の機能不全は反射性のものと考えられているが今の所その治療法は知られていない。当研究の目的は胸壁振動により反射性に換気を増加させ又術後のFRCの減少を防ぐと言うものであった。61年度は健康成人に於いて吸気時の上位肋間振動刺激が換気、FRC等に及ぼす影響を調べた。この結果次の様な興味ある所見が得られた。1.吸気時のみの上位肋間振動刺激は今まで報告されている換気の増加だけではなくFRCを著名に増加することが明らかとなった。2.このFRCの増加は坐位より仰臥位で著しい。3.この胸壁振動による換気の増加はtonic vibration reflexによる吸気肋間筋の活動増加で横隔膜の関与はないと信じられていた。しかしマグネットメーター及びX線透視で横隔膜の動きが著明に増幅されているのが認められた。4.この吸気時のみの胸壁振動は【Vo_2】を20%増加させるがこれは一時的で2分後には対照値へ復帰した。 これらの結果は既に昨年の第6回臨床麻酔学会総会で一部(2演題)発表し更に本年の第34回日本麻酔学会総会にも2題受理されている。以上の知見に基づいて今後は上腹部手術後患者に於いて同じ方法を適用して次の点を検討する予定である。1.一回換気量、呼吸数への影響 2.FRCへの影響 3.術後低下した横隔膜機能が上位肋間吸気時振動刺激で回復するかどうか。4.術後の鎮痛剤等が振動による上記効果にどれだけ影響するか。以上です。
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