研究課題/領域番号 |
61480338
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
土田 正義 秋田大学, 医学部, 教授 (00004549)
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研究分担者 |
能登 宏光 秋田大学, 医学部, 助手 (60164711)
宮形 滋 秋田大学, 医学部, 助手 (00157596)
西沢 理 秋田大学, 医学部, 講師 (60091815)
原田 忠 秋田大学, 医学部, 講師 (00108953)
荒井 茂 山形大学, 医学部, 教授 (90004580)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 膀胱尿管逆流 / VUR / 逆流防止機構 / 逆流防止手術 |
研究概要 |
膀胱尿管逆流(以下、VURとす。)の防止機構が粘膜下尿管が完全に閉鎖していることにより、行われていることを明らかにした。すなわち、超音波検査により、正常粘膜下尿管の内腔が下部尿管の強い蠕動により膀胱に尿が送られるとき以外は、尿管粘膜同志の密着により閉鎖していることが観察された。なお、粘膜下尿管の不完全な閉鎖は、粘膜または筋層の一方または双方に欠陥があるために生じる。 当教室でVUR防止手術を施行した症例の成績について、臨床的検討を加えた。対象は16例で、性別は男子が7例で、女子が9例であった。年齢は2歳から44歳に及び、平均年齢は7.8歳であった。主訴は全例で尿路感染症の頻発であった。両側にVURが認められたのが10例、左側のみが4例、右側のみが2例であった。術式は全例でPolitano-Leadbetter法で行った。VURの程度と有無、腎機能、尿路拡張の程度、蛋白尿、尿路感染症の頻度などに関する防止術前後における推移から手術の効果を有効と無効の2段階に評価した。その結果、14例では有効、2例では無効であった。防止術施行の時点で蛋白尿あるいは腎機能低下が出現していると、手術を施行しても腎不全が進行することが示唆されており、VURの早期発見および早期治療が望まれた。 なお、逆流防止術の術前、術後における尿管口からの尿流出の状態を2例を対象として、カラードップラー法で観察し、検討した。2例のいずれにおいても尿管口から、腎盂方向への逆流の状態については、把握できなかったが、尿管口から膀胱への尿流出の状態については、把握できた。これは、検査時の状況が蓄尿時のみで、体位も背臥位であり、実際に逆流の生じる状況を再現できなかったためと思われた。しかし、種々の改良を加えることにより、今後、本法による尿管口における尿流出の方向性に関する検討が、逆流の有無に関する有用な一手段になり得る。
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