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1986 年度 実績報告書

男子不妊症の免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480345
研究機関川崎医科大学

研究代表者

田中 啓幹  川崎医大, 医学部, 教授 (10069015)

研究分担者 大田 修平  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30152135)
鈴木 学  川崎医科大学, 医学部, 講師 (40154588)
キーワード男子不妊症 / 免疫 / 抗精子抗体 / 免疫組織化学 / 精索静脈瘤 / 陰嚢シンチグラフィー
研究概要

男子不妊症の原因はいまだに解明されているものは少ないが、その原因の1つに免疫の関与が挙げられている。そこで今年度は不妊患者における血中抗精子抗体の検索と精巣の組織免疫学的検索を行った。抗精子抗体の検索は精子凝集抗体、精子不働化抗体を男子74例、女子25例に施行した。結果は男子では精子凝集抗体12.1%、精子不働化抗体8.0%が陽性であり、女子ではそれぞれ28.0%、8.0%が陽性であった。精子濃度との関係は無精子症例で凝集抗体11.8%、不働化抗体17.6%と高値を示したが、その全てが精管結紮術術後症例を含む後天性の閉塞性無精子症例であり、先天性の閉塞性無精子症例には陽性例がみられなかった。次いで精巣生検を行った26例について、酵素抗体法により精巣組織内のIgGの存在を検討した。その結果、パラフィン切片による検査ではIgGの沈着は全例にみられなかった。これはパラフィン包埋により抗原性の消失があるのではないかと考え、凍結切片標本を作製し同様の酵素の酵素抗体法を行ったところ精細管壁にIgGの免疫複合体の沈着を認めた。今後症例を重ね検討を加えたい。
また、人精子には特異プロタミンの存在が示唆されており、定性・分離をすすめている。これが免疫機序の一端をになっているのかを研究中である。
不妊症の精巣内ステロイド含有量の検討も、高速液体クロマトグラフィーを用いてステロイドの分析を行なった。
男子不妊症の原因の1つである精索静脈瘤の診断法である陰嚢シンチグラフィーヤ、サーモグラフィーを用いて準臨床的精索静脈瘤の発見に成果を挙げている。特に陰嚢部シンチグラフィーでは現在、分類曲線を【IV】型に分け検討を加えているが、術後妊娠成立例との関係をみるとI型、【II】型にのみ妊娠成立例がみられ興味ある成積を示していた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 田中啓幹: 西日本泌尿器科. 48. 1147-1154 (1986)

  • [文献書誌] 木内弘道: 西日本泌尿器科. 48. 1136-1142 (1986)

  • [文献書誌] 河原弘之: Japanese Association for Immunology Reproduction. 5. (1986)

  • [文献書誌] 河原弘之: 西日本泌尿器科. 49. (1987)

  • [文献書誌] 中塚繁治: Japanese Association for Immunology of Reproduction. 5. 72-74 (1986)

  • [文献書誌] 渡辺慶太: 川崎医学会雑誌.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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