研究概要 |
妊娠後期のヒツジ(交配日の明確なサフォーク種)を用いてChronic in Utero Catheterization(Fujimoto,S.et al,1982,1983)を施行し、子宮動脈,胎仔頚動・静脈の血流量・血圧・酸素分圧・pHなどの測定と胎仔心電による心拍数変動パターンの連続記録を胎仔仮死発生と胎仔呼吸・循環動態との関連性を把握することを目的として施行した。 Chronic preparation 作成後、3日目に胎仔の呼吸・循環動態はsteady stateになることを把握し、今後の研究は3日目以降に実施されることが良いもと判断された。 臍帯血管圧迫による血流減少法により、variable deceleration の連続的誘起に成功した。 ヒツジ胎仔においてはsevere variable decelerationの5回以上の発現で胎仔動脈血pH,p【O_2】の有意の源少が観察された。今後variable decelerationの回数,振幅、持続時間などと胎仔呼吸・循環動態との関係を例数を増加してより詳細に推計処理し検討を重ねたい。 また、子宮動脈血流量と臍帯血流量との関係を把握しようとも試みたが、臍帯血流量の観血的、直接的測定には技術的な面での隘路があり今後の検討課題として残念ながら残さざるをえなかった。
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