研究分担者 |
大橋 正伸 神戸大学, 医学部, 助手 (90176975)
出口 正喜 神戸大学, 医学部, 助手 (70163938)
丸尾 猛 神戸大学, 医学部, 講師 (60135811)
足高 善彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (10030959)
望月 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
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研究概要 |
1.妊娠高血圧症(PIH)の発症因子:正常妊婦では正常非妊婦に比し、PRA,PACなどの昇圧系と、尿中KK,BKなどの降圧系の機能はいずれも亢進している。これに対し、PIM妊婦では、正常妊婦に比しPRA,PAC,尿中KKが低値、一方、BKは高値であることが判明した。angiotensin【II】による昇圧刺激を加えると、正常妊婦では昇圧系の抑制,ならびに降圧系の亢進が認められたのに対し、PIH妊婦ではその程度が弱いかあるいは認められなかった。また、細胞膜【Na^+】輸送能の検討をおこなったところ、PIH妊婦では細胞内【Na^+】濃度が正常妊婦より増加しており、細胞膜【Na^+】-【K^+】-ATPase(Napump)も軽症では正常妊婦より亢進していることから、病態論的意義が示唆された。2.カルシウム代謝:PIH妊婦では正常妊婦に比べて、血清Ca,【Ca^(++)】,Vit【D_3】の低下,PTHの増加が認められた。ラット腸管を用いたin vitro実験でもPIH妊婦にみられる血中ホルモン環境下(低hPL,高PRL,高PTH)では腸管のカルシウム吸収能の低下することが明らかとなり、PIHの病態にカルシウム代謝異常が重要な意義を有することが示唆された。3.PIHと潜在性胎児仮死,IUGR:PIH症例では正常妊婦に比べ、hPLが低値,PHA-S 負荷後の【E_3】 転換率が低値といった、胎盤機能および胎盤機能予備能の低下が認められ、このような傾向の著しいほど(生下時体重/生下時週数での標準体重)×100=relative birth weightの低いことが明らかとなった。超音波断層法により推定した子宮内胎児体重(推定胎児体重:estimated relative fetal body weight,ERFBW)が80%以下の症例では、胎児胎盤系の機能の予備能は低く、分娩時には高率に胎児仮死の発生することを明らかにし、ERFBW測定による分娩時の胎児仮死発生予知法のSensitivityは56%,Specificityは95%,およびPredictive valueは90%という結果を得た。
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