研究概要 |
1.鼻疾患モデルについて 前年度作製した鼻アレルギー動物の鼻粘膜中のヒスタミンの増加を認め, 鼻粘膜の好酸球, 好中球の浸潤および血管の拡張が組織学的に確められた. しかし寒冷負荷により, この鼻アレルギー動物の症状, 検査には何ら影響が認められなかった. 2.耳疾患モデルについて 実験動物をラットに変え, 寒冷ストレス, 拘束ストレス, 拘束ストレスと通電刺激, 非拘束下通電刺激を行い, 対照動物の内耳組織像と比較した結果, 非拘束下通電刺激の動物群のみ血管条の萎縮, ラセン神経節, 神経鞘の萎縮を認めた. これは, 極めて興味ある知見で, 今後詳細な検討がなされる必要がある. 3.咽喉頭疾患モデル 寒冷ストレスと咽喉頭疾患モデル実験に関しては, 実験動物の咽頭粘膜血流測定は非麻酔下に測定しなければならないため, 既存の器械ではその変動が大きく,一定の結果が得られなかった. そこで, 慢性扁桃炎を有する患者に寒冷ストレスを負荷し, 負荷前後の血沈,体温,アナフィラトキシン,肺機能検査の変動を検討した. その結果, 全例とも負荷により血沈の促進はみられず,体温は上昇傾向のものもあったが,咽頭痛の出現はみられず, 血漿C.ナD23a.ニ_<C.ナ>5a.ニD2は正常感にあり,著名な変動を示さなかった. パーセント肺活量,1秒率,未梢気管支機能においても著名な変動はみられなかった.
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