研究課題/領域番号 |
61480365
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
瀬川 雄三 信州大学, 医学部眼科学教室, 教授 (70020857)
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研究分担者 |
保谷 卓男 信州大学, 医学部附属病院眼科, 助手 (00201757)
宮崎 守人 信州大学, 医学部附属病院眼科, 助手 (90174169)
裏川 佳夫 信州大学, 医学部眼科学教室, 助手 (10160334)
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キーワード | 繊維柱帯 / 培養 / 透過電顕 / 走査電顕 / 正常人眼 / 房水流出路 |
研究概要 |
61年度は、液体培地と固形培地を用いて、正常人線維柱変(TM)を12週に至るまで、TMの構造・構成要素に変化を起さずに器官培養できた。また、12週の間、TMの細胞数に変化はなかった。62年度は、61年度に得た手法を用いて、TMに対する(1)金、鉄(2)コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、メチルセルローズの影響を検討し、次の結果を得た。金、鉄は、TMの細胞を活性化させ、特に内皮網において細胞外要素の増加をもたらした。コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸も、金、鉄とほぼ同様の結果を示した。メチルセルローズは、TMの細胞に殆ど影響を与えなかった。63年度は、61年度に得た手法を用いて、TMに対する(1)、アルゴンレーザー照射、(2)各種抗緑内障点眼薬(ピロカルピン、エピネフリン、βーblocker(カルテオロール、チモロール、ベフノロール)(3)ビタミンA、(4)ビタミンC、(5)ステロイド(デキサメサゾン)の影響を検討した。アルゴンレーザー照射は、TMに対して、組織欠損と、非照射部の細胞減少、空白部分の増加を惹起し、培養5週に至るまで欠損部の修復は認められなかった。抗緑内障点眼薬では、ピロカルピンはTMの細胞のミトコンドリアの膨化を惹起し、エピネフリンはTMの細胞の円形化、層板からの離脱を惹起し、β-blockerは、一様に細胞内に特異な模様のライソゾームの蓄積を惹起した。ビタミンAは、コンドロイチン硫酸によって増加した細胞外要素を24時間で減少させ、空白部分を増加させた。ビタミンCは、1週間目、2週間目に内皮網において細胞外要素を増加させた。デキサメサゾンを投与した場合、2週間目において内皮網内の細胞外要素が増加したものと、変化を示さなかったものがあり、増加したものはSteroid responderである可能性が示唆された。
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