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1986 年度 実績報告書

組織石灰化にともなう主要基質タンパク質の変化に関する生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480383
研究機関北海道大学

研究代表者

久保木 芳徳  北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)

キーワード骨 / 象牙質 / 石灰化 / 細胞間マトリクス
研究概要

昭和61年度には、象牙質リンタンパク質および骨の主要基質タンパク質(オステオカルシン、オステオネクチン、骨プロテオグリカン)の精製をおこなった。ウシの歯または骨を出発材料としてその脱灰抽出物より各種クロマトグラフィーを用いてこれらのタンパク質を均一にまで精製した。これらの精製物を用いて、ゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィー、SDS・ゲル電気泳動、2次元電気泳動における硬組織主要タンパク質の溶出位置または泳動位置を確定した。これらの分析系を用いて検討したところ、骨と象牙質はフォスフォフォリンをのぞいて共通のタンパク質を有していることがわかった。フォスフォフォリンは象牙質に特有な主要な非コラーゲン性タンパク質である。次にウシ象牙質をその形成段階にしたがって未熟なステージ☆I☆からほぼ完成されたステージ☆III☆までの3段階に分け、基質タンパンク質の組成を比較した。その結果、フォスフォフォリンは象牙質形成段階の進行とともに増加すことがわかった。一方、フォスフォフォリン以外のタンパク質は象牙質形成の進行とともにほとんど変化しないが、むしろ減少する傾向が認められた。このような両者の変動の差はフォスフォフォリンとその他のタンパク質の石灰化における役割が異なることを示唆している。
上記の実験に平行してin vitroでの実験もおこなった。フォスフォフォリンのハイドロキシアパタイトへの吸着能の実験ではその吸着容量が意外に少ないことが明らかになった。これはフォスフォフォリン分子の極端に高い荷電密度に由来すると思われる。次にゲル内でのin vitro石灰化系を用いて、フォスフォフォリンのおよぼす影響について検討した。フォスフォフォリンは石灰化物の総量は減少させたが、石灰化局所の核生成密度を増加させた。したがってフォスフォフォリンは核生成部位を局在し、石灰化前線を維持する機能を持つと考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Fujisawa,R.;kuboki,Y.;Sasaki,S.: Calcified Tissue International. 39. 248-251 (1986)

  • [文献書誌] Kawasaki,T.;Ikeda,K.;Takahashi,S.;Kuboki,Y.: European Journal of Biochemistry. 155. 249-257 (1986)

  • [文献書誌] Yamauchi,M.;Kuboki,Y.;Sasaki,S.;Mechanic,G.L.: Biochemistry. 25. 1997-2002 (1986)

  • [文献書誌] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.;Sasaki,S.: Calcified Tissue International.

  • [文献書誌] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.: Connective Tissue Research.

  • [文献書誌] Fujisawa,R;Kuboki,Y.: Japanese Journal of Oral Biology.

  • [文献書誌] 久保木芳徳,畑隆一郎,吉里勝利: "次世代タンパク質コラーゲン" 講談社, 200 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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