研究課題/領域番号 |
61480392
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
太田 稔 岩手歯科大学, 歯学部, 教授 (70048255)
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研究分担者 |
根本 優子 岩手歯科大学, 歯学部, P.D. (10164667)
客本 斉子 岩手歯科大学, 歯学部, 助手 (90118274)
黒川 理樹 岩手歯科大学, 歯学部, 助手 (70170107)
根本 孝幸 岩手歯科大学, 歯学部, 講師 (90164665)
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キーワード | アンドロゲン / アンドロゲン・レセプター / 顎下腺 / マウス / ラット / 核 / クロマチン |
研究概要 |
或る種の動物の細胞の核内において活性型ステロイドホルモン・レセプター複合体は、クロマチン上の特定部位(アクセプター)と結合し、特定の遺伝子の転写活性を増大させ、特定タンパク質の合成を促進する。しかし、真核動物での機構は不明の点が少なくない。私共は、ラット並びにマウスの顎下腺の顆粒管の発達がアンドロゲン依存性であること、また上皮細胞成長因子や神経成長因子の生合成がアンドロゲンにより誘導されること、さらに、これらの顎下腺がアンドロゲン・レセプターを高濃度に含有していることに着目した。そこで、アンドロゲンの作用機構を解明するため、これら動物の顎下腺細胞におけるアンドロゲン・レセプター複合体の核クロマチン上での特異的結合部位を明確にすることを目的とした。9-12周令の雌マウスに^3〔H〕標識の合成アンドロゲン^3〔H〕R1881を皮下投与し1-2時間後に顎下腺を摘出し、0.25Mショ糖を含むTris-Hcl緩衝液にてホモゲナイズした後、これを1000xgで遠心分離等の操作を行いペレットを得た。これよりショ糖密度勾配遠心法により精製核を調製した。この精製核に高い^3〔H〕活性が認められたので、これにmicrococcal nucleaseを作用させた。可溶化された画分についてグリセロール密度勾配遠心分離を行い、mono,di-,ならびにtrinucleosomeに分離した。これらの各画分よりDNAを抽出し、エタノール沈澱法により純化した後、純化DNAを50%グリセロール、ブロムフェノールブルーなどを含むTris-Hcl緩衝液で溶解後、アガロースゲル電気泳動を行った。その結果、mono-,dinucleosomeを含むDNA断片の 「はしご状」 パターンが認められた。今年ならびに昨年度の観察から、投与されたR1881はアンドロゲン・レセプターを介して顎下腺核と相互作用すること、核内でのアンドロゲン・レセプター複合体の作用部位はnucleaseに感受性を持つ転写活性の高いクロマチン領域にあるということが推測された。
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