研究課題/領域番号 |
61480396
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野口 俊英 医科歯科大, 歯学部, 助教授 (50014262)
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研究分担者 |
北村 滋 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90177866)
長田 豊 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90160837)
林 成忠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00182874)
福田 光男 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40156790)
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キーワード | 歯周病 / 実験的歯周炎 / 歯肉縁下プラーク / 歯周ポケット内への薬剤の局所投与 |
研究概要 |
本研究はヒトの口腔内にきわめて環境の類似したサルを用いることによって、ヒトの歯周病の発生のメカニズムを知ると同時に、臨床的には歯周病の治癒という面から、歯周病の最大の病因とみなされている歯肉縁下プラークを抗生剤、抗菌剤などのポケット内局所投与というきわめてユニークな方法により抑制した場合どのような変化が生じるかを調べることを目的としている。そこで本年度は、当初の予定通り、まずサルに実験的歯周炎を引きおこすための前準備として、すでにそれまでに存在している炎症の除去を目的として徹底的な口腔清掃、スケーリングを麻酔下で週2回ずつ、3ケ月にわたり実施した。口腔清掃には小児用のブラシを改良した小型のものを用い、スケーリングは、キュレットタイプのものを用いて縁下歯石も含めてすべて除去した。その結果、サルの口腔内の歯周組織の炎症がほぼ完全に消失し、健康な歯周組織を獲得することができた。そこで、次のステップとして、今度は歯周炎を実験的に引きおこすために、口腔清掃を完全に停止させ、プラークが歯の表面に沈着しやすくするよう、軟かい食餌を与えた。更に、歯周ポケット形成を促すために、従来多くの報告にみられるように歯頚部にリガチャーを結紮した。これにより実験的歯周炎がおこるか否かを、3週間に1度の割合で、さまざまな診査を継続している。診査項目としては、プラークの付着状態、歯肉の炎症の程度、ポケットの深さ、アタッチメントレベルの変化、X線診査、ポケット内細菌叢の変化などである。現在実験開始より2ケ月を経過し、これらの指数に変化がみられ、歯周炎のおき始めたことが確認されており、さらに確実に歯周炎が形成されるよう実験を継続中である。なお、今後の予定としては、歯周炎が形成された後、野口らの開発したポケット内への薬剤の局所投与法により、歯周組織がどのように治癒していくかを調べるつもりである。
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