研究課題/領域番号 |
61480397
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土谷 裕彦 阪大, 歯学部, 教授 (40028709)
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研究分担者 |
河辺 強 大阪大学, 歯学部, 助手 (80177732)
伊賀 己記 大阪大学, 歯学部, 助手 (90176066)
柴谷 貴子 大阪大学, 歯学部, 助手 (10127235)
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キーワード | フッ素イオン徐放性 / シーラント / 根面う蝕予防 / 根面う蝕進行抑制 / 人工う蝕 / シーラント浸透層 |
研究概要 |
新しいフッ素イオン徐方性ポリマーを含むシーラントによる根面象牙質う蝕の予防と進行抑制効果について基礎的研究を行ない、以下の結果が得られた。1.根面人工う蝕作成法の確立:ヒト健全歯の根面プラークと比較してう蝕根面のプラークに多数存在し、かつ根面う蝕の原因薗としての可能性が示唆されているStreptococcus mutansを利用して根面象牙質にう蝕様の脱灰層を形成した。なおヒト根面プラークに多数存在し、動物実験で根面う蝕の誘発が報告されているActinomyces viscosusを用いる実験についても現在検討中である。2.フッ素イオン徐放性ポリマーを含むシーラントが根面人工う蝕象牙質において形成するシーラント浸透層の観察:フッ素イオン徐方性ポリマーを含むシーラントを根面象牙質に塗布し、断面のSEM観察によって象牙質表層に厚さ約3umのシーラント浸透層が形成が見られた。引続き、根面人工う蝕象牙質について同種の実験を行ないつつある。3.フッ素含有量の異なるフッ素イオン徐放性ポリマーを含むシーラントの諸性質の比較:フッ素イオン徐放性ポリマーを含むシーラントの円板試料から37℃水中へ遊離されたフッ素量を測定し、フッ素遊離量はシーラント中のフッ素含有量が大きいほど大きいことがわかった。この傾向は経時的にも変わらなかった。フッ素含有良の最も少ないシーラントは水中浸漬後8か月でフッ素の遊離量が測定限界以下となった。一方、象牙質と3種のシーラントとの耐摩耗性を比較したところ、シーラントの耐摩耗性は優れていたが、シーラント間での差はなかった。
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