研究分担者 |
和久本 貞雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (00013847)
伊藤 和雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30129811)
長谷川 篤司 昭和大学, 歯学部, 助手 (10180861)
柳川 敏夫 昭和大学, 歯学部, 助手 (60175651)
千葉 幹男 昭和大学, 歯学部, 助手 (30163744)
|
研究概要 |
歯質に対する接着性向上の試み, 特に象牙質に対する接着性向上については, 種々の歯面処理法と接着性材料との開発の二つの方向よりなされている. これまでの象牙質への接着性向上法の主なものは, 歯面処理剤により象牙質面になんらかの物理的あるいは化学的修飾を施し, 高分子材料が接着しやすいような歯面性状をつくりこれに高分子材料を接着させるというものである. 本年度は, 特にコンポジットレジンの持つ重合収縮による歯質とレジンの間のギャップを減少させる方法を検討した. すなわちレジンの重合収縮をできるかぎり抑えるためにフィラーの含有量を増加させた加圧填塞型レジンを試作して, 色素浸透試験およびコントラクションギャップを測定してその可能性を検討した. さらにボンディング材中のモノマーの重合反応に関与する二重結合の数を, 一分子あたり従来の2(2官能性モノマー)から4(4官能性モノマー)あるいは6(6官能性モノマー)に代え, ボンディング材自体の重合度を上げるこにより接着性を向上させる目的の多官能性ボンディング材を試作して, そのコントラクションギャップを測定しその効果を検討した. その結果加圧填塞型レジンは歯面処理なしでも, コントロールとして用いた市販臼歯部用コンポジットレジンに匹敵するコントラクションギャップ値と色素浸透度を示した. 多官能性試作ボンディング材は, 従来のBisーGMA(2官能性)ベースの光重合型ボンディング材のギャップ0.206%であったのに対し4官能性光重合型ボンディング材は約半分の0.091%であり今回試作した多官能性試作ボンディング材の中で最も小さい値を示した. 光重合型と化学重合型のボンディング材とを比較すると, 多官能性ボンディング材においても, 光重合型の方が, コントラクションギャップの値は小さい値であった.
|