研究課題/領域番号 |
61480405
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷 嘉明 京大, 国立大学(その他), 助教授 (90026881)
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研究分担者 |
都賀谷 紀宏 京都大学, 医用高分子研究センター, 助手 (50127106)
堤 定美 京都大学, 医用高分子研究センター, 助手 (00028739)
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キーワード | 歯の接着 / 接着 / 歯科用接着材 / 接着前処理 / 歯質表面処理 / コンポジットレジン |
研究概要 |
コンポジットレジンは多くのすぐれた性質を有しているために、保存修復の分野における役割はきわめて大きい。しかし一方、コンポジットレジン自体には歯質とくに象牙質に対する接着性がないことが、もっとも大きい未解決の問題点となっており、修復に先立って歯質の前処理や接着材を介しての接着強化法が不可決の術式となっている。 本研究の第1年次では、まず低濃度の各種の酸処理剤による象牙質面のスメア層処理効果を走査電顕で評価した結果、リン酸.クエン酸.アスコルビン酸などの3〜10%水溶液で十分な処理効果のあることが認められた。そこで、処理剤の歯髄への影響を配慮し、象牙細管の封鎖性を期待できる乳酸アルミニウムを0.5%あるいは1.0%配合した低濃度クエン酸処理剤を考案し、成犬を用いての歯髄の病理組織学的研究を行なって良好な結果を得た。 一方、接着性材料自体の重合収縮が歯質接着性を阻害する重要な因子として指適されており、修復物辺縁部のギャップの測定が必要となる。従来から、辺縁部のギャップや修復材の摩耗の評価法としては、二次元的測定以外に方法がなかったが、合回、購入した設備品(ミクロン深さ・高さ測定機)によって、三次元的測定が可能になり、新しい知見が得られている。本装置による測定は二年次も引続いて継続する予定である。さらに、歯質への接着を阻害する因子と考えられている窩壁象牙質面上に付着しているスメア層の処理のために、Nd-YAGあるいはC【O_2】レーザーの照射を試みており、スメア層の蒸散と象牙細管封鎖効果、歯面の"ぬれ性"の向上が認められている。
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