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1986 年度 実績報告書

接着性レジンと強力に接着する合金表面構造及び接着機構の解明と接着用合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61480407
研究機関東日本学園大学

研究代表者

大野 弘機  東日本学園大, 歯学部, 教授 (70018430)

研究分担者 荒木 吉馬  東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (20005036)
松田 浩一  東日本学園大学, 歯学部, 教授 (20109458)
坂口 邦彦  東日本学園大学, 歯学部, 教授 (90067009)
キーワード接着性レジン / 合金表面構造 / 接着機構 / 吸着水分子
研究概要

本研究は、レジンと強力に接着する合金表面構造及び接着機構の解析を行い、新しい接着用合金を開発することを目的としている。先ず、70mass%Co-30%Cr合金の3つの異なる表面状態(バフ研磨したまま、300℃と500℃で大気中で酸化)に対する接着性レジン(4-META添加)の接着性について検討した。合金の表面構造は光電子分光分析(ESCA)と反射電子回折で解析し、接着性との関係を明らかにした。接着性は、研磨したままの方が300℃と500℃で酸化した表面より優れていた。この接着性の優劣は、液体チッ素を用いた熱サイクルを施すことによって見出された。研磨したままの表面構造は、20〜30【A!°】の非晶質の不働態被膜で、【Cr^(3+)】や【Co^(2+)】または【Co^(3+)】を中心にして-OHや【H_2】Oが6配位で結合していると考えられた。また、300℃の表面構造は、120【A!°】の酸化被膜が形成され、その表層は主に【Co_3】【O_4】から成っており、その極表面には数分子の【H_2】Oが吸着した状態であると考えられた。そのため高温酸化表面と4-META側鎖との間に多分子層の水が介在していることが推定され、これが酸化表面に対する接着性が、研磨したままで形成される不働態被膜に対するよりも劣っている原因と結論された。この結論の正しいことを実験的に検証するために、酸化層表面の吸着水を脱水し、この表面に対する接着を調べた。すなわち、Co-Cr合金と18-8ステンレス鋼を500℃、大気中で酸化処理を行い、次に、1×【10^(-6)】Torrの減圧下で700℃で加熱し、酸化表面の脱水を行った。接着操作は水分の存在しない高純度アルゴンガス中で行った。液体チッ素を用いた熱サイクルを加えた後、引張試験を行った結果、脱水しないと界面破壊とレジン内破壊が混在しているが、脱水処理後ではほとんどレジン内破壊を呈した。酸化層表面に吸着水が存在しなければ優れた接着性を示すことが明らかになった。以上の研究実績の他に、強力に接着する金合金の開発や耐水性のある接着界面の実現に向けて研究を続行中。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiroki OHNO;Yoshima ARAKI;Masahiro SAGARA: DENTAL MATERIALS JOURNAL. 5(1). 46-65 (1986)

  • [文献書誌] Hiroki OHNO;Yoshima ARAKI;Masahiro SAGARA;Yuro YAMANE: DENTAL MATERIALS JOURNAL. 5(2). 211-216 (1986)

  • [文献書誌] Hiroki OHNO;Yoshima ARAKI;Kouichi MATUDA;Kunihiko SAKAGUCHI: DENTAL MATERIALS JOURNAL. (1987)

  • [文献書誌] 大野弘機,相良昌宏: 東日本歯学雑誌. (1987)

  • [文献書誌] 大野弘機,荒木吉馬,川島功,山根由朗,相良昌宏: 日本歯科理工学会学術講演会講演集. 第9回. (1987)

  • [文献書誌] 大野弘機,荒木吉馬,川島功,山根由朗,相良昌宏: 日本歯科理工学会学術講演会講演集. 第10回. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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