研究概要 |
昭和61年度の目的のレーザー振動計のコヒーレンスの改良, レーザー振動測定系と2chFFTアナライザーとのリンク完成, レーザー検出法と加速度ピックアップ法との精度の確認を行い, 昭和62年度の計画である局部義歯の動的な歪みを測定し, 原著論文として神奈川歯学に3編を投稿した. また第75, 77, 78回日本補綴歯科学会学術大会, 昭和61, 62年度日本補綴歯科学会関東支部学術大会, 神奈川歯科大学学会第62回例会, 第22回総会にて口頭発表を行った. その結果次のような結論を得た. 1)1G較正器(80HZ)を用い, Laser Doppler Vibrometer(L.D.V.)と加速度ピックアップの感度比較した結果, 共振ピークの周波数値とレベル値, ならびにリニア値に大きな差を認めなかった. 2)レーザー光線照射角度は, 試料の表面性状に関係なく15°までは伝達関数, 動態の正確さを認めた. また反射テープ使用時には75°まで測定可能になった. 3)トランジュサの比較において, 加速度ピックアップはL.D.V.と類似した動態を認められたが, 共振周波数は低い周波数帯域に移行した. 4)加速度ピックアップを付着すると, その重量によっては試料の真の動態を妨げる事が示唆され, 本実験系では金属試料でP比8.8×, レジン試料で10×以上でL.D.V.に類似した動態が求められる事が解った. 5)Metal flameのモーダル解析で, Finishing lineを設計しないものでは床が一体となり振動する傾向が大きく, 設計したものではFinishing lineを境とした変形を認め, この部位への応力の集中が疑われた. 6)モーダル解析法が, 補綴物設計をシミュレートする方法としての有効な手段になるものと推察される.
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