研究分担者 |
前野 郁尚 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (40181599)
更谷 啓治 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60170817)
佐古 好正 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20170657)
楠本 哲次 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70186394)
田中 昌博 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (60163573)
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研究概要 |
顎機能の診査・診断および顎関節症などの治療に対して, 咀嚼筋の機能特性を把握することは非常に重要となる. その咀嚼筋を詳細に, しかも的確に把握するためには従来から行われてきた方法を含め多角的なアプローチが必要であるという観点に立ち, 種々の診査法あるいは計測法を模索してきた. 昭和61年度には, 咀嚼筋の筋微小振動に着目し, 補綴学上重要な顎位である下顎安静位および中心咬合位をこの筋微小振動から推定できることが分かった. さらに筋電図のようなエレクトリカルな情報の他に, 筋電図では把握しえない粘弾性要素などに関する情報がこの筋微小振動に含まれていることも分かった. そこで昭和62年度には, 筋収縮力(咬合力)と咬筋, 側頭筋の筋微小振動との相関性について検討することにした. このために新たに咬合力測定用のトランスデューサーの開発をも試みた. その結果, 中心咬合位で収縮強度を変化させたときの咬筋, 側頭筋の筋微小振動振幅は下顎安静位のときのそれに比較して, 著しい振幅の増加が認められた. しかしながら, 収縮強度と咬筋, 側頭筋の筋微小振動振幅との間にはリニアリティは必ずしも認められなかった. また咬合力の測定は上下歯列間にトランスデューサーを介在させねばならないこと, トランスデューサーの厚みあるいはそれを保持するシーネにより, 咬合挙上された状況で行わねばならない問題点を改善すべくトランスデューサーの改良を重ねてきたが, 抜本的な改良はできなかった. 今後この点に関しては引き続き行っていく予定である. さらに, 筋微小振動に関する研究とともに, 別の指標として, 咀嚼筋の硬さ, 深部温, 圧痛閾値, 咬合接触の画像解析, アレイ電極筋電図などの計測を可能にすることができ, 咀嚼筋の機能特性把握のためのポリグラフ的観察を促進することができた.
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