研究課題/領域番号 |
61480422
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
竹井 哲司 日大, 歯学部, 教授 (80059477)
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研究分担者 |
堤 博文 日本大学, 歯学部, 助手 (30188594)
横澤 智 日本大学, 歯学部, 助手 (50182689)
高橋 登世子 日本大学, 歯学部, 助手 (50120499)
向山 レイ 日本大学, 歯学部, 助手 (40059902)
小室 歳信 日本大学, 歯学部, 専任講師 (50139200)
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キーワード | 個人識別 / 歯痕 / スーパーインポーズ / 画像解析 |
研究概要 |
本研究で購入した画像解析システムの一部改良およびその取り扱いの習熟に、かなりの日時を要したので、今年度は、予定した研究計画のうち、パーソナル画像解析法を応用した、歯痕のスーパーインポーズ法による同定に関する研究を行なった。成人男子30名の歯列模型と実験的歯痕を作成して、これを画像入力し、歯痕部および歯列模型の切端部を抽出した。この画像についての種々の計測値と、2つの画像の面積の重なり程度による異同識別指数をそれぞれ算出した。これらの識別指数により、他人由来と思われる組み合わせを排除した。最後に残った数組の組み合わせについて、実験的歯痕の2次画像と歯列模型の1次画像の重ね合わせ像を作成して、歯の位置的特徴の比較、観察を行なった。その結果、 1.歯列模型と実験的歯痕それぞれの合計19項目の計測値による異同識別指数は他人由来の組み合わせのうち、上顎で20.6%、下顎で11.6%が同一人由来の組み合わせの範囲に含まれた。2.面積による異同識別指数は、他人由来の組み合わせのうち、上顎で0.6%、下顎で1.7%が同一人由来の組み合わせの範囲に含まれた。3.計測値および面積による異同識別指数が、同一人由来の範囲に入る他人由来の組み合わせであっても、重ね合わせ像を作成して、歯の位置的特徴を比較、観察したところ、異同識別は容易であった。 以上、画像解析装置を用いてスーパーインポーズ法による歯痕の基本的な異同識別法を確定した。今後は被咬体の形態、性状等を変化させて、より実際に則したケースに対応させるべく検討を重ねる。なお、本装置を応用しての頭部X線規格写真と顔写真との重ね合わせ、前頭洞の形熊的特徴に着目しての個人識別に関しては、すでに資料は収集済みであるので昭和62年度の課題として検討する。
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