研究概要 |
永久歯中のSrー90の分析用試料として,ヒト第三大臼歯を約1600本收集した. これらをコンピュターによってサンプリングし,一群約20〜30本の遂年的な試料を構成し,Srー90の分析を行っている. 予備的なデータであるが,昭和55年頃の出生者の歯牙にピークが見られた. これはほぼ過去のフオールアウト中のSrー90量と相関している. 分析を来年度中旬に終了させる予定である. 微量元素の蓄積に関し,年令的な変化を検討する目的で,ヒト小臼歯を多数收集し,これを技歯年令別に10才以下,10才代,20才台,30才台,40才台50才台の6群に別けた. まず,10才以下と50才台の歯牙について放射化分析法で微量元素を分析した. その結果次の値が得られた (10才以下/50才台). Al2.9×10^1,2.5×10^1,Mg4.7×10^3/5.8×10^3,Sr8.3×10^1/2.1×10^2,Mn1.1×10^0/1.5×10^0,K<2.8×10^2/3.3×10^2,Na7.4×10^3/7.5×10^3,Hg4,8×10^0/1.6×10^1,Sr9.6×10^1/1.8×10^2,Zn1.5×10^2/1.4×10^2ppmであった. この結果,Alは明らかに若年者の方が少なく,Na,Znは同レベル,Mg,Sn,Mn,K,Bn,Hg,Snは高年者の方が多い元素と考えられた. 今後これらのデータを,原子吸光法,蛍光X線法と比較検討する. 時間的に余ゆうがあれば,遂年的に上記微量元素の推移を調べたい.
|