研究課題/領域番号 |
61480440
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中島 光好 浜松医大, 医学部, 教授 (00092982)
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研究分担者 |
滝口 祥令 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40163349)
植松 俊彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50151832)
橋本 久邦 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10009558)
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キーワード | 薬動力学 / 薬物血中濃度測定 / カフェイン / リドカイン / テオフィリン / ベイズ理論 |
研究概要 |
初年度は、まず本主題の為の基礎的研究を計画・実施した。即ち抗不整脈薬リドカインの酵素免疫測定法の導入、同じくメキシレチンのガスクロマトグラフィーによる測定法の確立、肝機能の指標物質として注目されるカフェインの高速液体クロマトグラフィーによる測定法の確立を終了した。カフェインについては、臨床の場での応用範囲の広い唾液中濃度測定の為の簡便で正確な唾液採取・抽出法を創案・確立し、健常志願者においてカフェイン経口投与後の血液中/唾液中濃度の相関について実験を行ない良好な相関を得た。更に将来の発展性を考え、患者にて実際に実施する状況を想定して、カフェインを含む日常嗜好品(日本茶,コーヒー)摂取後の、本唾液採取法に影響する因子、血液中/唾液中濃度の相関の変動の有無について、少数の健常人及び肝機能低下患者についても検討した。本方法は蛋白結合率の低いカフェインである為に有用であるのか否かという点に関しても、蛋白結合率の高い抗てんかん薬フェニトインに関しても更に検討中である。本主題である、患者群での薬動力学パラメータ算出及びその個別化については、薬剤としてリドカイン,テオフィリンに限定した。心臓集中治療室に収容された患者のうち、不整脈を示し、リドカイン静注を受けた約40名の患者において、定時的に採血し、血中濃度を測定した。又、24時間ホルター心電図を記録した。本患者群での薬動力学パラメータはコンピュータプログラムNONMEMを用いて解析予定である。パラメータ個別化の為のベイズ理論に基づいたマイコン用プログラムを作成・移植し、少数例のデータにてその有効性を確認した。テオフィリンに関しては喘息発作或は慢性気管支炎急性増悪にて入院した患者でテオフィリン静注を受けた患者で、静注後二点の血中濃度測定よりパラメータを推測し、経口製剤服用後定常状態での血中濃度予測を行なった。
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