研究分担者 |
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
小田 隆治 北里大学, 医学部, 助手 (60185600)
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 助手 (70181641)
上野 晃憲 北里大学, 医学部, 講師 (00112657)
原田 芳照 北里大学, 医学部, 助教授 (20050677)
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研究概要 |
1.ロイコトリエン(LT)測定法の検討:80%エタノールで抽出した試料をPH3.5に調整しSep-pakC18で精製することにより、LTが効率よく分離出来,【LTB_4】をRIAで測定した。【LTC_4】の抗体は【LTD_4】と50%の交又反応性を示すので両者を区別する時にはHPLCにより分離後測定した。 2.ラット遅延型アレルギー性胸膜炎の時間経過:結核死菌を抗原としてラットを感作し、3週間後に結核死菌を胸腔内に注射して胸膜炎を作成した。滲出液量は3時間に小さいピークを示した後,9時間で急に増加し18時間にピークを示す。その後30時間まで僅かに減少した。静注色素量からみた血漿蛋白質滲出量は3時間と9〜15時間にピークがあり、その後漸次減少した。滲出液中の多核白血球数は3時間でプラトーに達し、単核球は18時間から48時間まで徐々に増加した。予備実験では3.9時間に【LTC_4】,【LTB_4】はほとんど検出されなかった。5-リポキシゲナーゼ阻害薬(AA-861,80mg/kg.P.O.)投与により15時間のみ抑制された。血漿キニン系の関与は認められていない。 3.微小循環レベルでの多核白血球(PMNL)游走:ハムスター頬袋を用い【LTB_4】によるPMNLの細静脈内壁粘着を昭和61年度に購入した超高感度カメラ(C2400-08)によりVTRに記録することが出来た。細静脈内壁粘着後,PMNLは流れに逆って立ち上り、4〜5分間そのままの状態に留った後30秒位で急速に内皮細胞間を通過し結合組織間を游走するのが記録された。今後PMNLをacridine-orangeで染色し蛍光標識して、連続記録,定量化する予定である。 4.ラット心筋梗塞モデル:左主冠動脈を結紮し48時間まで、心虚血巣への血液の再流入,梗塞巣の大きさの拡大,PMNL数をそれぞれ特殊染色後に定量化した。PMNL数のピーク(24時間)より前の8時間に心組織内【LTB_4】がピークを示し、AA-861で、【LTB_4】,PMNL,梗塞巣が抑制された。
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