研究分担者 |
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
小田 隆治 北里大学, 医学部, 助手 (60185600)
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 助手 (70181641)
上野 晃憲 北里大学, 医学部, 講師 (00112657)
原田 芳照 北里大学, 医学部, 助教授 (20050677)
|
研究概要 |
1.ラット遅延型アレルギー性胸膜炎の解析:結核死菌をラットに皮下注射し3週間後に右胸腔内に結核死菌を注射して遅延型アレルギー胸膜炎を作った. 20分間の血漿滲出量を静注色素の漏出量として測定すると, 抗原投与3時間に小さいピークがみられるが9〜18時間に大きなピークがあり, 96時間まで次第にこの血漿滲出速度は減少し, 確かに遅延型アレルギー反応がおこっていることがわかった. 滲出液量は6時間から著しく貯留し始め18時間でピークとなった. 浸潤細胞数は多核白血球が9時間まで増加し以後漸減した. 単核球数は9時間より48時間まで除々に増加した. 滲出液中の血漿カリクレインーキニン系の前駆体量が血漿より減少し消費がおこったと推測された. またブロメライン静注により血漿カリクレインーキニン系前駆体を枯〓させたラットで胸膜炎をおこしてみると, 3,9,15,18時間の血漿滲出が抑制され血漿キニンが血漿滲出に関与すると思われた. アスピリンを血漿滲出1時間前に投与すると9,15,18時間の血漿滲出が抑制されこの時間帯にプロスタグランジンが関与すると予測された. 5ーリポキシゲナーゼ阻害薬のAAー861投与では各時間とも有意な抑制はみられなかった. 2.微小循環レベルにおける多核白血球血管外游走の解析:ハムスター頬袋の微小循環を用いLTB_4で局出潅流すると多核白血球が細静脈内壁に粘着するが, これらはやがて内壁に向って立上り, 内腔から急速に消失した. 平均消失時間は7分で, 14分位たって周囲の組織間隙に認められることもあった. 用量に拘らず粘着した白血球の90%以上が内腔より消失し, 粘着が浸潤に重要なステップであることが確認された. cyclic AMP Phosphodiesterase阻害薬のDNー9693を投与すると粘着した多核白血球が再び内壁から血流にもどることが明らかとなった.
|