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1987 年度 実績報告書

大脳の働きの見地に立つ日本文入力作業の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 61480447
研究機関東京大学

研究代表者

山田 尚男  東京大学, 理学部, 教授 (00011700)

研究分担者 大岩 元  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20011679)
小野 芳彦  東京大学, 理学部, 助手 (20126022)
池田 研二  東京大学, 医学部, 助手 (70010030)
斎藤 正男  東京大学, 医学部, 教授 (60010708)
キーワード日本文入力 / コード入力 / 日本文タイプ作業 / カナ漢字変換 / 読みの干渉 / 入力作業の心理的負荷 / 偶発記憶再生課題 / 入力作業効率 / 心的処理水準
研究概要

本研究の今年度の成果・知見は以下の通り.
1.カナ漢字変換のよる入力作業では, 漢字の読みと打鍵が干渉し, 本質的に作業能率が高くなりえないことを実験によって検証した. 実験は, カナ漢字変換の職業タイピスト12人について, 漢字かな交じり文と, それをかなに書き下した文の双方の打鍵について反復3回の打鍵速度・エラー率の向上を測定した. 実験結果の解析では, かなに書き下したテキストの方が打鍵成績が良く, 漢字の読みが打鍵に干渉に起こしていることが示された.
2.カナ漢字変換による入力が, コード化入力によるものより入力作業の心理的負荷が大きいことを実験により確認した. 実験は, それぞれの入力方式を日常利用している職業タイピスト12人ずつを被験者とし, タイプ作業と別の負荷作業を同時に実行させて, タイプ作業のみの打鍵速度との比較をする. 実験では, カナ漢字変換による入力(ただし変換操作は省く)の方がコード化入力より有意な打鍵成績の劣化を示した.
3.かな漢字変換もコード化入力も, コピータイプ作業において, 処理の心的水準が意味に深く関わるレベルにまで達していないことを, 実験により示した. 実験は, 前実験2と同じ24人の被験者について, 心象の深さの異なる2字熟語のタキストスコープで投写したものをタイプさせ, その後その偶発記憶再生の度合いを測定するものである. 過去の実験では, 意味に関連する作業なら心象の深さ(3レベル)に従って記憶の再生の差が有意に現れるのであるが, 本実験では両者ともレベル間の差が現れなかった. この結果から, 職業タイピストは, 熟語が表わす意味には深く関わらずにコピータイプ作業を進めていることが示された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 岡留剛: 第3回ヒューマン・インタフェース・シンポジウム論文集. 325-332 (1987)

  • [文献書誌] 建石由佳: 第3回ヒユーマン・インタフェース・シンポジウム論文集. 15-22 (1987)

  • [文献書誌] Okadome.Takesi: Congnitive Science.

  • [文献書誌] Okadome.Takesi: Human Factors.

  • [文献書誌] 橋本萬太郎: "漢字民族の決断 漢字の未来に向けて" 鈴木荘夫(大修館書店), 487 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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