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1988 年度 実績報告書

後肢筋に空胞形成が見られる行動異常突然変異体マウスの疾患モデルとしの開発

研究課題

研究課題/領域番号 61480449
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

辻 繁勝  和歌山県立医科大学, 医学部・第二生理学教室, 教授 (70073658)

研究分担者 宮島 正康  和歌山県立医科大学, 医学部・動物室, 助手 (80137257)
大河内 英作  和歌山県立医科大学, 医学部・第二生理学教室, 研究員
坪田 裕司  和歌山県立医科大学, 医学部・第二生理学教室, 助手 (50197761)
キーワード行動異常突然変異体マウス / croマウス / 筋小胞体蛋白 / SDS-PAGE疾患モデル
研究概要

行動異常突然変異体(Cro)マウスの後肢骨格筋中に形成される空胞の内容物の由来を知るために筋線維の構成蛋白に就いて、SDS-PAGE電気泳動法によって分画解析を行ない、正常対照との比較から異常の有無を検討した。筋小胞体画分中の蛋白をButcherらの方法で分画抽出し電気泳動を実施した結果、croマウスにおいて分子量約47000の蛋白バンドが欠失していることが見出された。この蛋白バンドは1ケ月令以降の正常対照マウスでは分子量約45,000の蛋白とほぼ等量で、1対をなし、合計2本の蛋白バンドとして認められるが、croマウスではそのうち47,000の1本が欠失していた。又、この蛋白バンドの欠失は、croマウスと、他系のBALB/cマウスとの交配F_1マウスでは全く認められず、F_2マウスでは行動異常を発症した個体では全て欠失が認められたが、発症しない個体では欠失したものと、発現するものとが認められた。この結果は、1ケの常染色体劣性遺伝子によって発現される行動異常形質と全く同じ様式で遺伝されることを示しており、従ってこの蛋白バンドの欠失はcro遺伝子によって継代される形質の一つであることが明らかになった。又、この蛋白バンドの欠失が、他の組織学的生化学的異常の発現する前に既に認められること、並びにこの蛋白バンド自体が正常個体で明らかに認められる時期から既にcroマウスでは欠失していること、などからこの欠失がcro-遺伝子による形質発現の極く初期の段階で現われる変化であることが推定され病因の解明に有力な手掛りを与えるものと期待される。更に、この欠失バンドの生理機能に関しては、泳動像をステインズオールで染色してCa^+^+との結合に就いて調べた所、ネガティブな結果が得られた。即ち、筋小胞体に存在してCa^+^+と結合して重要な生理機能を示すカルセクエストリンとは別のものであることが判った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 辻繁勝: 生体防御. 5(1). 105-111 (1988)

  • [文献書誌] Tsuji,Shigekatsu: Wakayama Medical Reports. 30. 25-34 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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