研究課題/領域番号 |
61480465
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
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研究分担者 |
長尾 清治 岐阜大学, 医学部, 助手 (30183528)
岡野 幸雄 岐阜大学, 医学部, 講師 (10177066)
江川 滉二 東京大学, 医科学研究所・癌体質学研究部, 教授 (00012724)
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キーワード | 膜流動性 / 低温シフト / 脂肪酸不飽和化酵素 / DNA |
研究概要 |
テトラヒメナ細胞を低温シフトすると、飽和脂肪酸のパルミチン酸が急減し、不飽和脂肪酸(γーリノレン酸、リノール酸)が増加したが、このような脂質修飾膜を電子スピン共鳴法・フリーズフラクチャー電顕で検討した結果、低温下生育による脂質修飾に伴って流動性の高い膜になることが示された。 飢餓培地で生育させた細胞に低温ショックを与えても細胞の生存活性には変化がなかったが、モノソームからポリソームへの移行の傾向が著名であった。このポリソームの増加が低温ショックによって新たに合成されたmRNAに由来するものなのか明らかにする必要がある。 一方、低温シフトした細胞のミクロソームタンパク質の変動について二次元電気泳動で検討したところ、低温シフトにより増大するタンパク質を認めた。このタンパク質は等電点および分子量からチュブリンと考えられた。チュブリン以外にも低温シフトにより変化するスポットが認められたが、いずれもラット肝由来の脂肪酸不飽和化酵素に比べて低分子のものであった。ところで、研究代表者らはラット肝由来のステアリルCoA不飽和化酵素のcDNAを入手し、このcDNAの酵素タンパク質をコードする断片をプローブとしてテトラヒメナ細胞の総DNAとサザンブロッティングを行った。総DNAを、EcoRIおよびHindIIIで切断し2種類のプローブを用いて種々条件を検討した結果、35%ホルムアミド、5xSSC存在下に28℃、24時間のインキュベーションによりEcoRI切断DNAとハイブリダイズするバンドを認めた。そこで、種々の制限酵素で切断したDNAとサザンブロッティングを行い、EcoRI、EcoRVおよびBgIII切断DNAとハイブリダイズする4.5kb、2.6kbおよび2.7kbのバンドを認めた。このことはラットとテトラヒメナの著しい種差にもかかわらず、クローニングが可能であることを示唆した。
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