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1986 年度 実績報告書

原形質流動における周期性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 61480476
研究機関大阪大学

研究代表者

黒田 清子  阪大, 理学部, 助教授 (30028138)

キーワード周期性 / 原形質流動 / アメーバ運動 / 粘菌変形体 / カルシウム-イオン
研究概要

諸々の生理現象における周期性は生体が示す特生の中で特に興味深いものである。粘菌変形体では規則正しく反転する活発な往復原形質流動がみられる。また一見周期性のないようにみえるアメーバも条件によって周期運動をするようになることが報告されている。本年はまず【Ca^(2+)】を指標として生体運動の周期性発現の機構を解明しようとした。
Amoeba prateusのグリセリンモデルにMg-ATPを添加すると【10^(-6)】M【Ca^(2+)】の時にのみモデル内で流動が再開される、【10^(-4)】M【Ca^(2+)】ではゾル化して動かない。この時アクチン繊維の消失が観察された。更にA.proteusのG-アクチンは【10^(-4)】M【Ca^(2+)】存在下でリン酸化され重合がおさえられる。以上のことはアメーバ運動の制御に【Ca^(2+)】依存のアクチンのリン酸化が関与していることを強く示唆する。そこでA.proteusにエクオリンを顕微注射してその全発光量をフォトマルを用いて経時的に測定するとアメーバ内で【Ca^(2+)】濃度の急激な上昇が数分の間隔で断続的にくり返されていることがわかった。また超高感度ビデオシステムを用いてアメーバ内のエクオリンによる発光を映像として撮え【Ca^(2+)】分布の空間的時間的変化をビデオ記録しくわしく解析した。発光量はアメーバ体の後部で前部より強かった。活発に運動しているアメーバでは数分の間隔で強く発光する部位が各所に現れ、特に方向転換する部位での発光が顕著であった。この所の【Ca^(2+)】濃度は【10^(-5)】Mのオーダーであることがフォトンカウンティングによる解析から明かになった。【Ca^(2+)】濃度上昇による細胞質の局所的ゾル化が複雑なアメーバ運動を制御しているものと考えられる。
粘菌変形体のカフェインドロップおよび脱膜系を用いて、quin-2による【Ca^(2+)】濃度の変動を蛍光顕微鏡で映像として解析し、また定量的経時的に測定することを始めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sonobe,S.et al: Protoplasma. 130. 41-50 (1986)

  • [文献書誌] Sonobe,S.et al: Jour.Biol.Chem.261. 314837-1484 (1986)

  • [文献書誌] 黒田清子: 生体の科学. 37. 351-353 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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