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1986 年度 実績報告書

リンパ系細胞分化初期過程の遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 61480478
研究機関藤田学園保健衛生大学

研究代表者

黒澤 良和  藤田学園保衛大, 医学部, 教授 (10109259)

研究分担者 井野 晶夫  藤田学園, 医学部, 講師 (80121432)
岡村 和彦  藤田学園短大, 助手 (60132255)
内藤 守啓  藤田学園短大, 助手 (80132257)
朝倉 義博  藤田学園総医研, 助手 (80175843)
市原 慶和  藤田学園総医研, 講師 (80176304)
キーワード先天性免疫不全症 / 免疫グロブリン遺伝子 / DNA再編成 / 組み換え酵素 / RFLP解析 / X染色体 / cDNAライブラリー
研究概要

血液幹細胞からB細胞やT細胞への分化過程に異常があり、そのため免疫不全症となると考えられているX染色体連座無ガンマグロブリン血症(XLA)及び重症複合免疫不全症(SCID)を対象として、その欠陥遺伝子を同定すると同時にリンパ系細胞分化過程を解析することを目標に研究を行っている。XLA及びSCID患者の骨髄細胞にEBウィルスを感染させて形質転換株を得た。細胞表面マーカーの解析で、それらは【Ia^+】、【B1^+】、【B4^+】、【μ^-】というpreB細胞の特徴を有していた。ところがSCID由来株では、免疫グロブリンH鎖遺伝子領域でDNA再編成が全く起きていなかった。この観察にもとづきSCIDでT細胞とB細胞の異常が生じる原因は、免疫グロブリン及びT細胞レセプター遺伝子領域のDNA再編成を触媒する組み換え酵素(recombinase)の異常であるという仮説を提出した。一方、XLAにおいては、免疫グロブリンH鎖J遺伝子領域ですべてDNA再編成を起しているが、それはDH-JH型でありVH-DH結合は観察されなかった。更にそのDH-JH再編成でも本来DNAが結合すべき場所から大きくずれた結合が見られた。このことからXLAでは免疫グロブリン遺伝子のDNA再編成を誘発するタンパク質があり、それに異常があるという仮説を提出した。この過程で新しく二種類のDH遺伝子を同定し、ヒトの免疫グロブリンH鎖CDR【III】領域で従来より我々の提唱していたD-D結合モデルに新しい実験的根拠を与えた。RFLP解析は、日本人X染色体に多型性が少ないことが判明し期待ほどの成果は得られなかった。昨年度に作製してpreB細胞特異的CDNAライブラリーより該当遺伝子を捜すアプローチは、幹細胞よりB細胞を誘導する系の開発及びX染色体ライブラリーをつくり直すところまでもどってやり直している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Matsui,T.;Hirano,M.;Naoe,T.;Yamada,K.;Kurosawa,Y.: Gene.

  • [文献書誌] Ino,T.;Kurosawa,Y.;Yoshida.M.C.;Hirano,M.: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.

  • [文献書誌] Ichihara.Y.;Matsui.H.;tsuge.I.;Okada.J.;Torii.S.;Yasui.H.;Kurosawa.Y.: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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