研究分担者 |
松村 宏 名古屋大学, 医学部, 助手 (50157278)
岡村 和彦 藤田学園衛生技術短期大学, 衛生技術科, 助手 (60132255)
橋本 敬一郎 藤田学園保健衛生大学, 医学部・免疫学, 助手 (70192268)
市原 慶和 藤田学園保健衛生大学, 医学部・免疫学, 講師 (80176304)
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研究概要 |
ヒト免疫グロブリンH鎖D領域を14キロ塩基対にわたって塩基配列を決定したことにより, 6種のD_H遺伝子ファミリーを同定した. このことから, ヒト免疫グロブリンH鎖CDRIIIの示す高い多様性も, マウスと同様にV.ナ_<H.ニ>ーD.ナ_<H.ニ>, D.ナ_<H.ニ>ーJ.ナ_<H.ニ>という結合で説明できることがわかった. 更に, D.ナ_<H.ニ>遺伝子が進化的にどのように増幅されたかについての示唆も得られた. 一方, ヒト免疫グロブリンH鎖のμーδイントロン部に見い出したシグマ構造を解析したことにより, 次のような驚くべき可能性を見い出した. 免疫グロブリン遺伝子領域には, 多くのtRNA様部位が見い出される. それはマウスとヒトで見られ, 更に, その部分はtransposonの如くふるまう. 我々はこれは, tRNA領域がRNAスプライシングにかかわっているためと考えている. 更に, μーとγーの二重発現細胞においては, 不連続的な転写が起り, 複数個の前駆体mRNA間でトランススプライシングが起ることを示すデータも得た. そして常識に反してRNAポリメラーゼIIIによる合成が関与していることを示すデータを得た. これらは, 従来から知られている遺伝子の発現機構に重大な変更をせまるものであり, 現在詳細に検討している.
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