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1986 年度 実績報告書

日本人型APRT欠損症の疾患遺伝子の起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480484
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

鎌谷 直之  東京女医大, 医学部, 助教授 (00114447)

研究分担者 渡辺 富博  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50182936)
河井 和夫  東京女子医科大学, 医学部, 助手
寺井 千尋  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40188660)
キーワード遺伝病 / 尿路結石症 / プリン代謝 / 核酸代謝 / ベプチド / 進化論 / 基質結合部位
研究概要

APRT欠損症は尿路結石症と腎不全症を来たすプリン代謝酵素欠損症の一つである。この疾患は日本人では特殊な型を取り、この場合はホモ接合体の診断が困難であった。我々は、この診断法を開発し発表した。その後、我々のところに診断依頼が多数あり、現在まで23家系30名のホモ接合体を診断し、報告した。この数は世界の全報告例の半数以上である。特に、発端者以外の7名は我々の方法なしでは診断不可能な例である。このように診断が正しくなされるようになった我々の発表した症例(もちろん、これは本邦発表例の大半を占める)の約80%は、いわゆる日本人型APRT欠損症と定義されるものであった。これは、我々がすでに発表しているように、PRPP結合性の悪い、熱安定性の高い変異酵素を合成するもので、PRPP binding siteを変えるような部位のアミノ酸置換があると推定されている。いろいろなデータより、この疾患の疾患遺伝子の頻度は、全国民の1%以上と考えられるが、実際にそのことを証明するのは困難であった。我々は今回この診断法を確立した。即ち、保因者よりB cell lineを樹立し、そのB cell lineよりホモ接合体に相当するクローンを選択した。これにより、geneticlartificial mutantsを多数選択することができ、保因者を診断できるようになった。このようにdiploidで二種類の遺伝的変異を一つの細胞に引き起こすことができたのは生物学上初めてで、そのような方法が診断法として用いられたのは医学上初めてである。さて、この日本人型APRT欠損症における変異部位であるが、我々は、正常と異常のAPRT酵素を精製し、ペプチドマッピングをした。それにより、正常と異常で異るペプチドを取り出した。現在このアミノ酸配列を決定しているところであるが、遠からず変位部位を発表できるであろう。結石の頻度からAPRT欠損症保因者の頻度を計算したところ、日本人の1.21%となった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Kamatani,N;Yamanaka,H;Nobori,T.,et al.: Purine Metabolism in Man-【V】,Plenum,New York. 5. 39-46 (1986)

  • [文献書誌] Kamatani,N.;Yamanaka,H.;Nishioka,K.,et al.: Purine Metabolism in Man-【V】,Plenum,New York. 5. 157-162 (1986)

  • [文献書誌] Yamanaka,H.;Kamatani,N.;Nishida,Y.,et al.: Purine Metabolism in Man-【V】,Plenum,New York. 5. 281-285 (1986)

  • [文献書誌] Nobori,T.;Yamanaka,H.;Kamatani,N.,et al.: Purine Metabolism in Man-【V】,Plenum,New York. 5. 35-38 (1986)

  • [文献書誌] Yamanaka,H.;Kamatani,N.;Nobori,T.,et al.: Purine Metabolism in Man-【V】,Plenum,New York. 5. 583-588 (1986)

  • [文献書誌] Nobori,T;Kamatani,N.;Mikanagi,K.,et al.: Biochem.Biophys.Res.Commun.137:3. 998-1005 (1986)

  • [文献書誌] Kamatani,N.;Terai,C.;Kuroshima,S.,et al.: Hum.Genet.

  • [文献書誌] Kamatani,N.;Kuroshima,S.;Terai,C.,et al.: Hum.Genet.

  • [文献書誌] Kawai,K.;Kamatani,N.;Kuroshima,S.,et al.: Cancer Letters.

  • [文献書誌] Fujimori,S.;Akaoka,I.;Takeuchi,F.;Kanayama,H.;Tatara,K.;Nishioka,K.;Kamatani,N.: Metabolism. 35:2. 187-192 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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