研究分担者 |
市川 正孝 日本大学, 医学部, 助手
鈴木 孝 日本大学, 医学部, 助手
藤沢 孝人 日本大学, 医学部, 助手
高橋 英夫 日本大学, 医学部, 助手
川田 孝吉 日本大学, 医学部, 助手
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研究概要 |
NB細胞の除去法を条件設定する為に下記の実験を行った。(1)使用したM-AbがすべてのNB細胞を認識するか否か(2)GoatαMouse Immunoglobulinが、Magnetic beadsに充分coatingされるか否か(3)NB細胞にBeadsが結合するか否か(4)コバルト磁石でNB細胞に付着したBeadsの除去率と正常細胞及び造血幹細胞に及ぼす影響について検討した。 1.NB細胞に対する各種M-Abの反応性については、4種類のM-Ab、390,459,HSAN.1.2,RB21-7で、個々のM-AbとNB細胞株であるLA-N-1,LA-N-2,LA-N-5に対する結合率を検索した所、細胞株によって結合率が異なった為、NB細胞を除去するには、4種類のM-Abを混合して用いた。その結果、結合率が75〜94%と安定した。2.二次抗体とBeadsとの結合性については、Magnetic beadsは27.4%の鉄を含有した直経3ミクロンの均一なstyrendivinyl benzene polymerでBeads(1mg/ml)を濃度の異なったGoat&Mouse Ig(GAM)と種々の培養条件で吸着率を検討した所、GAM200μg/Beads=Img4℃18時間培養が最も良好であった。3.NB細胞とBeadsとの結合性についてNB細胞とBeads数の至適比率を検討する為、正常骨髄単核細胞にNB細胞株をトリプシン処理後DNA stain Hoechst 33342(H342)の螢光標識single cellを5%加え、4種類のM-Abと4℃1時間培養後すでに処理ずみのGAMのcoatingされたBeadsをNB細胞1コに対し、10〜200コの割合で4℃1時間培養後、各々コパルト磁石の間を5〜10ml/分の速度で通過させ除去率をみた所、1:100以上ではプラトーであった。4.NB細胞の除去率と正常骨髄幹細胞への影響については、上記の条件下でNB細胞の除去率を検索した。その結果、NB細胞の除去率は約4Logであり、骨髄単核細胞の回収率は50%と減少しているが、CFU-GM,BFU-Eの回収率は各々80〜85%と殆んど影響を受けておらず、comitted stem cell のレベルでみる限り、生着するのに充分な幹細胞数であると言える。又、磁石通過後の細胞浮遊中には、全くbeadsは検出出来なかった。我々の施設ではStage【IV】Aの左副賢原発の4才男児に対し、上述の方法に基き、61年7月に自家骨髄移殖を行い現在患児の状熊は極めて良好で無治療で寛解を維持している。
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