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1988 年度 実績報告書

脳血管攣縮と続発する脳浮腫の細胞生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480489
研究機関横浜市立大学

研究代表者

桑原 武夫  横浜市立大学, 医学部, 教授 (80045947)

研究分担者 藤井 聡  横浜市立大学, 医学部, 助手 (90173385)
田中 直樹  横浜市立大学, 医学部, 講師 (80188317)
藤津 和彦  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10101057)
キーワードvasospasm / Leukotrien subarachnoid / hemorrhage / cerebrospinal fluid
研究概要

前年度までは培養平滑筋細胞を用いて種々の化学物質に対する細胞の収縮と細胞から生産される各種プロスタグランディン代謝産物を測定した。今年度はクモ膜下出血患者の髄液中Leukotrien(LT)C_4,D_4を測定した。〔方法〕破裂脳動脈瘤急性期手術患者8例の髄液を2〜4ml採取し、森田らの方法でSep-Pak C_<18>カラムを用いてエタノール抽出後High Performance Liquid Chromatography(HPLC)にてLTC_4,D_4を同定定量した。対象として脳腫瘍術後患者及び髄膜炎患者の髄液中のLTC_4,D_4を測定した。
〔結果〕破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血後の血管攣縮が軽度であった症例のLTC_4は2ng/ml、以下で経過した。脳血管攣縮が中等度あるいは重症であった症例のLTC_4は4ng/ml以上であり、臨床症状の増悪に先行してLTC_4は上昇を示し、最高18.97ng/ml,2週間の経過で低値に復する。LTD_4は脳血管攣縮の臨床症状を示した3例のみに検出され、全体に変動は少く、最高4.76ng/mlであった。脳腫瘍術後患者の髄液中にはLTC_4,D_4は検出されず、髄膜炎患者の髄液中LTC_4は5.39ng/ml,LTD_4は2.33ng/mlを示した。
〔結論〕脳血管攣縮の臨床症状と密接に相関して検出されたのはLTC_4であり、LTD_4は髄膜炎症例にのみ有意に上昇している。この結果はLTC_4が血管収縮作用を、LTD_4が血管透過性前進作用を有しているとする従来の報告と一致する。これらのLT放出源としては1.クモ膜下出血による一次的脳損傷や虚血が引金となってcortical neuronsやhypothalamusから放出される。2.髄液中に流出する血液に由来するneutrophil,macrophage,mast cellから放出される。以上の2つの放出源が想定される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 篠永正道 他: Neurol Med Chir(Tokyo). 26. 277-283 (1986)

  • [文献書誌] 枚田一広: Neurol Med Chir(Tokyo).

  • [文献書誌] 藤津和彦 他: 日本脳卒中の外科研究会講演集. 14. 71-74 (1988)

  • [文献書誌] 藤津和彦 他: 日本脳卒中の外科研究会講演集. 14. 235-238 (1988)

  • [文献書誌] Fujii S,Fujitsu K.: J Neurosurg. 69. 92-97 (1988)

  • [文献書誌] 藤津和彦: "伊藤正男、桑原武夫編最新、脳の化学" 同文書院, 505-522 (1988)

  • [文献書誌] Fujii S;Fujitsu K.: "Cerebral Vasospasm" Raven press,87-96 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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