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1987 年度 実績報告書

フッ素洗口法のう蝕進行度に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 61480491
研究機関長崎大学

研究代表者

高木 興氏  長崎大学, 歯学部, 教授 (80005090)

研究分担者 小林 清吾  新潟大学, 歯学部, 助教授 (50153614)
キーワード小学童永久歯 / う蝕進行率 / フッ化物洗口法 / 予防的経過観察
研究概要

昭和60年4月より, 小学学童を対象としてフッ化物洗口法(0.05%Naf溶液1日1回)を行わせ, この条件下で新しく発生した永久歯初期う蝕のその後の進行状況を追跡調査してきている. 今回は, 初年度の1〜5年生とその後の新入生も含めた477人を対象に, 昭和62年10月まで調査した結果である. ここでは, う蝕歯面全体の93.4%を占めていた小窩裂溝う蝕に限定して集計した. まずこの期間内に発生した初期う蝕について, その後のう蝕重症度の分布を見た. 初めC_0であったう蝕の場合, 1年後で33.6%, 2年後で50.5%がC_1以上の症度に進行し, 初めC_1の場合には, 1年後で40.4%, 2年後で54.2%がC_2以上の症度に進行していた. しかし, C_3に進行した例はC_0からのものは1例も無く, 初めC_1であったもので2年後に1例だけであった. 次に, これら初期う蝕の発生以後, 6ヵ月毎の進行率, 現状維持率およびreversal率について学年別の差異を検討した. う蝕発生後1年で見ると, C_0からの進行率は, う蝕発生時の学年が1年生の場合69.0%, 2年生で40.3%, 3年生で27.8%, 4年生で24.3%, 5年生で25.3%であった. またC_1からの進行率は, う蝕発生時の学年が1年生の場合に最大で80.0%, 5年生が最小で19.4%であり, これら進行率が低学年で大きく高学年では小さい傾向は統計学的に有意(P<1%)であった. そして進行率の小さい4, 5年生では, 進行例とreversal例はともに約20%で同程度であることが認められた. 次に島田の報告を基本とし, Life Table法を応用した累積進行率をう蝕発生時の学年別に算出した. そして, これらの値より6ヵ月毎に2年間の経過を追った累積進行曲線として求めることができた. この累積進行曲線の比較により, 1年生で発生したう蝕は特に進行速度が速いことが明らかであり, 一方2年生以上で発生したう蝕では, 経過18ヵ月以降にう蝕進行率の増加が殆ど見られなかった.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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