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1988 年度 実績報告書

ヒトβグロビン遺伝子の正確な転写開始に必要な蛋白因子とその遺伝子クローニング

研究課題

研究課題/領域番号 61480492
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

安河内 幸雄  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60037398)

キーワードヒトβグロビン / in vitro転写 / HeLa細胞
研究概要

本年度までにヒトβグロビン遺伝子の正確な転写開始に6つの蛋白因子(FA、FB、FC、FD、FE及びFF)が必要なことが明らかとなった。FAはSDS電気泳動後の銀染色において80%以上の精製度を示す標品を得られたので、アミノ酸配列を精製トリプチック・ペプタイドについて決定した。それより演繹されるオリゴDNAを合成し、HeLa細胞cDNAライブラリーからハイブリダイゼーションにより陽性のクローンを得た。コーディング部分についてDNA配列を解析した結果、イオンを交換カラムクロマトグラフィーから予想される如く塩基性の強い蛋白が推定された。エクスプレッション・ベクターに組込みE.coli中で蛋白産生を試みたが、E.coliの生長が悪く現在のところ成功していない。FEについて更に精製を行なった。Sephacryl S-300HRゲル濾過においてFEとFDが分離した後、FEをDEAE-HPLCにより精製した。FEの活性はSDS-PAGE上約66K及び33Kの2つのバンドと関係が深いことが示唆された。これらのバンドを分離するために、グアニジン塩酸を含むリン酸バッファー中においてゲル濾過を行なった。Rematuration後、転写活性をアッセイすると、33Kのバントのみが活性と関連していることが明らかとなった。FEが転写過程においてどのような機能に関与しているか追究するため、DNAへの結合性及びSarkosyl block実験を行なった。FEはゲル・シフト・アッセイ法及びフットプリンティングによりDNAへの結合性は証明されなかった。従ってDNA・蛋白間の相互作用には関係がないことが示唆された。Sarkosyl block実験ではSarkosylの前にFEが反応液に加えられた時のみ活性が存在した。しかもプレインキュベーションの比較的遅い時期に加えられても活性は不変であった。以上の結果から、FEは転写のinitiation complex形成においてfast phaseに関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kitajima,S.: Submitted to Proc.Natl.Acad.Sci.USA.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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