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1986 年度 実績報告書

小腸脈管系環流法を用いたイオン性薬物の消化管吸収機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 61490001
研究機関北海道大学

研究代表者

有田 隆一  北海道大学, 医学部, 教授 (40001028)

研究分担者 宮崎 勝巳  北海道大学, 医学部附属病院, 助教授 (30166144)
キーワード小腸脈管同時還流法 / 消化管吸収 / 吸収機構 / β-ラクタム抗生物質 / アミノ酸 / ジペプチド / 吸収抑制
研究概要

ラットの小腸・脈管同時還流法を用いて、セファレキシン、セフラジンおよびアンピシリンの消化管吸収をみた結果、前2者(セファロスポリン)はアンピシリンに較べて速かに脈管系(血液側)へ移行することを認めた。従って、これまで管腔内消失などのみかけの吸収から言われてきたこれらの薬物の吸収性の差異を、今回実際に脈管系への移行を測定することによって確認し得た。さらに、薬物間相互の吸収抑制実験を、20倍濃度の共存下にて行った。その結果、セファレキシン、セフラジンの脈管系への移行は相互に抑制を受けること、および、シクラシリンの共存によっても両者ともに強く抑制を受けることを認めた。このことにより、これら両性イオン型β-ラクタム抗生物質の吸収機構には、それぞれ共通する輸送系の存在している可能性が強く示唆された。
次いで、アミノ酸(L-ヒスチジン,L-フェニルアラニン)あるいはジペプチド(グリシルグリシン,L-フェニルアラニルグリシン,カルノシン)による吸収抑制実験を行った。その結果、40倍濃度の共存でいずれも、セファレキシン,セフラジンの脈管系への移行を抑制する傾向を示したが、その程度は先の薬物間で認められた結果に較べて小さかった。」一方、アミノ酸の間における吸収抑制の実験では、20倍量のL-メチオニンの共存によってL-フェニルアラニンの管腔内からの消失および脈管系への移行ともに強く抑制されることを認めた。
これらの実験結果より、両性イオン型β-ラクタム抗生物質の小腸からの吸収機構には、アミノ酸やジペプチド類の輸送系が寄与している程度は強くはなく、主に、これらとは異なる薬物に特異的な系が関与している可能性が高いものと推擦される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Katsumi Miyazaki;Kyoko Sunada;Ken Iseki;Takaichi Arita: Chem.Pharm.Bull.34(9). 3830-3835 (1986)

  • [文献書誌] 宮崎勝巳,有田隆一: 病態生理. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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