1988 年度実績報告書

超音波超高圧ガス噴霧法による非平衡相合金微粉末の生成と特性

研究課題

研究課題/領域番号	61490003
研究機関	東北大学
研究代表者	井上明久東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10108566)
研究分担者	松崎邦男東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20181711) 木村久道東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
キーワード	超音波超高圧ガス噴霧法 / アモルファス粉末 / 過冷却微小液的 / 二段液体急冷法 / 過冷却液体急冷法 / アモルファス形成範囲 / 構造緩和量 / 偏平状粉末
研究概要	超音波超高圧ガス噴霧装置により作製した鉄やコバルト基のアモルファス合金粉末は2〜100μm径の球状である。この球状粉末では温間加圧焼結法により高密度なアモルファスバルクを得ることは困難であったが、球状粉末とフレーク粉末を適当な比率で混合することにより高密度なアモルファバルク材が得られることを見出した。この結果、超音波超高圧ガス噴霧装置を多量のフレーク粉末と少量の球状粉末が混合したものが得られるように改善する必要性が生じ、改良を試みた。改良点は、ガス噴霧ノズル直下に高速で回転する冷却体を設置し、高速で飛来する噴霧された微小液滴を回転冷却体により偏平化すると同時に急速凝固することにより、フレーク状のアモルファス粉末を得るようにしたことである。改良後の粉末作製装置は、超音波超高圧ガス噴霧により微小な過冷却液滴を作製した後、これを回転体により再冷却し、凝固させる二段液体急冷法である。しかも,二段目の冷却においては、融点以下に過冷却した液滴を回転体に衝突させることにより厚さが役1〜3μmもの薄さとなり、冷却速度が飛躍的に向上するとともに得られた粉末も木葉状や円板状のユニークな形態となることが明らかになった。この二段液体急冷法の特長を利用することにより、単ロール液体急冷法ではアモルファス化出来ないFe-C系などにおいてもアモルファス相が得られること、また従来アモルファス相が得られている合金系においてもその形成範囲が著しく低溶質濃度域に拡張されること、および得られたアモルファス相も高い冷却速度を反映した著しく大きな構造緩和量を有していることが見出された。このように、過冷却液体を再冷却する二段液体急冷法は、従来の融点異常に加熱した液体を一段で冷却する方法とは原理を異にする新しい型の液体急冷法であり、得られるアモルファス相の組成も大きく変化することより、今後の発展が大いに期待される。

研究成果

(10件)

すべてその他

すべて文献書誌 (10件)

[文献書誌] A.Inoue;T,Masumoto;T.Ekimoto;S.Furukawa;H.S.Chen: Metallurgical Trasaction. 19A. 235-242 (1988)
[文献書誌] A.Inoue;L.Arnberg;M.Oguchi;U.Backmark;N.Backstrom;T.Masumoto: Transaction Iron,Steel Institute of Japan. 28. 7-15 (1988)
[文献書誌] A.Inoue;T.Masumoto;T.Komura;S.Desheng;M.Oguchi: Materials Science and Engineering. 97. 153-156 (1988)
[文献書誌] A.Inoue;Y.Tachiya;J.Saida;T.Masumoto: Science Report Research Institute of Tohoku University. A-34. 118-127 (1988)
[文献書誌] S.Deshend;A.Inoue;T.Masumoto: Science Report Research Institute of Tohoku University. A-34 E1988. (128-142)
[文献書誌] A.Inoue;K.Kita;K.Ohtere;H.M.Kimura;T.Masumoto: Journal Materials Science Letter. 7. 1287-1290 (1988)
[文献書誌] M.Yamamoto;A.Inoue;T.Masumoto: Metallurgical Trasactions. 20A. 5-11 (1989)
[文献書誌] A.Inoue;T.Komura;J.Saida;M.Oguchi;H.M.Kimura;T.Masumoto: International Journal of Rapid Solidification. 4. NO.3 (1989)
[文献書誌] A.Inoue;J.Saida;Y.Tachiya;A.P.Tsai;T.Marumoto: Proceeding of International Meeting on Advansed Materials(Materials Research Society). 1989.
[文献書誌] A.Inoue;J.Saida;T.Masumoto: Materials Transactions,Japan Inatitute of Metals. 30. NO.4 (1989)

1988 年度 実績報告書

超音波超高圧ガス噴霧法による非平衡相合金微粉末の生成と特性

研究代表者

井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10108566)

研究成果

[文献書誌] A.Inoue;T,Masumoto;T.Ekimoto;S.Furukawa;H.S.Chen: Metallurgical Trasaction. 19A. 235-242 (1988)

[文献書誌] A.Inoue;L.Arnberg;M.Oguchi;U.Backmark;N.Backstrom;T.Masumoto: Transaction Iron,Steel Institute of Japan. 28. 7-15 (1988)

[文献書誌] A.Inoue;T.Masumoto;T.Komura;S.Desheng;M.Oguchi: Materials Science and Engineering. 97. 153-156 (1988)

[文献書誌] A.Inoue;Y.Tachiya;J.Saida;T.Masumoto: Science Report Research Institute of Tohoku University. A-34. 118-127 (1988)

[文献書誌] S.Deshend;A.Inoue;T.Masumoto: Science Report Research Institute of Tohoku University. A-34 E1988. (128-142)

[文献書誌] A.Inoue;K.Kita;K.Ohtere;H.M.Kimura;T.Masumoto: Journal Materials Science Letter. 7. 1287-1290 (1988)

[文献書誌] M.Yamamoto;A.Inoue;T.Masumoto: Metallurgical Trasactions. 20A. 5-11 (1989)

[文献書誌] A.Inoue;T.Komura;J.Saida;M.Oguchi;H.M.Kimura;T.Masumoto: International Journal of Rapid Solidification. 4. NO.3 (1989)

[文献書誌] A.Inoue;J.Saida;Y.Tachiya;A.P.Tsai;T.Marumoto: Proceeding of International Meeting on Advansed Materials(Materials Research Society). 1989.

[文献書誌] A.Inoue;J.Saida;T.Masumoto: Materials Transactions,Japan Inatitute of Metals. 30. NO.4 (1989)

1988 年度実績報告書

井上明久東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10108566)