本研究の主題は脳内神経括動のうち、モノアミンニューロンの活動を無麻酔・無拘束ラット脳を用いて研究することである。脳内のモノアミンニューロンは大脳皮質、線条体、偏桃体、海馬などに分布する。これらの脳部位で同一のラットを用いて連続的に神経活動を測定するため、多電極測定のポーラログラフィーと、これをコントロールするプログラムの開発が必要であった。今回は、ポーラログラフィー(HECS318B)を用いて微小炭素電極の同時活性化について検討した。微小炭素電極については0から3ボルトまで1秒間に70回以上の速度で5秒間電圧をかけたところ、使用に耐える電極を作製することができた。この電極を用いて安定に測定するためには、測定する毎に0から3ボルトの電圧をかけることが必要である。この状態での電極はドーパミン10-8Mをホルタモグラム上で検出できる。従来の方法ではドーパミンの代謝物であるDOPACによってドーパミンの検出が防害された。今回の方法は【IO^(-6)】MDOPACの存在にもかかわらずドーパミンを検出でき、生体内におけるドーパミンの変化のみをモニターすることが可能になった。ポーラログラフィーによって得られるボルタモグラムをコンピューターの画面上に表示したり、データ処理を行って、連続的に解析することが必要であり、そのためのプログラムの作製も現在進行中である。今後は、2〜3本の電極をラット脳に挿入し、連続的に測定できるようにする。
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