研究概要 |
この研究では, カラー画像情報に基づく非定常流動現象の実時間計測として, 当初, 計測精度の向上およびモアレ法によるポテンショル場とトレーサ法による速度ベクトル場の同時計測を目標とした. しかし, 同時計測においては, 検討の結果, モアレ干渉縞パターン画像とトレーサ画像を同時に得る可視化手法は技術的に非常に困難であることが明らかとなったため, 温度場とそれによって生じる弱い流れ場が共存する自然対流に注目し, それを感温液晶粒子懸濁法によって可視化し, 温度と速度の同時計測を試みた. また, カラー画像分離による3次元流れ場の速度分布計測システムを開発した. 以下に, それぞれについて得られた新たな知見, 成果を要約する. 1.相関法による速度ベクトル分布の画像計測システムの確立 相関法は, 流れ場全域の格子点速度ベクトル分布が求められ, 非定常流に対しても有効であるなど大きな利点を持つことが明らかとなった. また, 過誤の速度ベクトルの補正処理アルゴリズムを確立した. 2.カラー画像分離による3次元流れ場の速度分布計測システムの開発 深さ方向2ヶ所での2次元速度ベクトル分布を同時に計測することができた. 3.カラー画像情報に基づく流れ場と温度場の同時計測 2次元温度分布と2次元速度ベクトル分布の時間的変化の様子を同時計測することができた. しかし, このアルゴリズムでは色計測の分解能がまだ低いので, 今後色識別アルゴリズムの開発, ならびに温度と色との厳密な対応関係等についての詳細な検討が必要であると思われる.
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