研究分担者 |
池見 澄隆 佛教大学, 文学部, 教授 (10066417)
田宮 仁 仏教社会事業研究所, 専任研究員 (60155257)
広瀬 卓爾 佛教大学, 社会学部, 助教授 (60054673)
山口 信治 佛教大学, 社会学部, 教授 (60066404)
雲井 昭善 佛教大学, 文学部, 教授 (80081892)
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研究概要 |
「仏教とターミナル・ケアに関する研究」の第1段階として, 当面の目的であった, 看とる側と看とられる側との意識に関するアンケート調査を行ない, その分析結果を得たことが最大の成果である. それによって現在のターミナル・ステージにおける, 看とりの実態を把握するとともに, 仏教の具体的な役割を見きわめるうえで, 貴重な示唆を得ることができた. さらに, このような実態調査を初めて行なったことによって, 質問事項の妥当性や調査方法等に関するひとつの指標を得ることもできた. また, 仏教を背景としたターミナル・ケアの方法論を開拓するために, 原始仏教, 日本仏教, 仏教思想史等の各専攻分野から, 生死の問題をめぐってそれぞれの個別研究を推進してきたが, 現時点での成果を一応示し得た. なお, 当初の計画では, アンケート調査の分析結果と, それぞれの個別研究の結果とを有機的に関連づけ, 錯綜しているターミナル・ケアの在りかたに対して, 具体的な方向性を示すことを重要な課題として掲げていたが, 時間的な制約のため今回はその達成を断念せざるをえなかった. ただし, 現在の「死」をめぐる諸問題について, 仏教を基盤においた総合的な考察を進めるための条件整備という点においては, 一応の成果をあげることができた. この成果が「仏教とターミナル・ケアに関する研究, その2」に引き継いでいきたい.
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