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1986 年度 実績報告書

絵画・書跡などのクリーニング及び補修のための新技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510025
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

増田 勝彦  東文化財研, その他, 研究員 (40099924)

キーワード絵画・書跡のクリーニング / 吸引ポンプ / 超音波発生機 / 自動補修機 / 文書修理
研究概要

本研究によって、絵画・書跡類の安全で効果的な局部クリーニングが可能となった。本研究の結果設計される装置は、吸引ポンプ,金網を表面とする作業台,超音波発生機,そして漉嵌用枠から構成されている。本装置の主な機能は、絹本・紙本に対する墨・顔料・泥土による汚損の除去と、虫害を受けた文書の自動補修(漉嵌め)である。
従来、局部のためであっても全体を濡らす必要があったクリーニング処置が、本装置によれば、必要部分以外は濡らすことがない。
吸引ポンプによって、本紙を通過する空気と水の混合物によって、通常の静止的洗浄をはるかに上廻る、動的な洗浄効果が得られる。その上、通過する水は、超音波によって振動しており、洗浄効果は旧に倍する程である。
さらに、洗浄処置の間、本紙は金網上に保持されており、なんら損傷を受ける恐れがない。
本装置の持つ他の機能は、虫害文書の漉嵌めである。文書を金網上に置き漉枠で押えてから吸引ポンプを運転する。漉枠の中に和紙の繊維を水中に分散させて注ぐと、繊維は虫害の形状に従って堆積し新紙を形成する。自動的に補修が行なわれたことになる。従来は、1枚に百ヶ所の穴があれば、百回補修を繰返さねばならないが、本装置によれば、穴の多少にかかわらず、数十秒から数分以内で補修作業をすることが出来る。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2013-05-31  

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