研究課題/領域番号 |
61510029
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古塚 孝 北海道大学, 教育学部, 助教授 (30091490)
|
研究分担者 |
陳 省仁 北海道大学, 教育学部, 助手 (20171960)
三宅 和夫 北海道大学, 教育学部, 教授 (70000627)
狩野 陽 北海道大学, 教育学部, 教授 (60000626)
|
キーワード | 治療教育学 / 音素認知 / 構音障害 / 乳児の泣き / 音素記憶スパン |
研究概要 |
第1論文は、障害児一般に対する治療教育学的取り組みにおける基本的考え方を論じたものである。私としては、あらゆる意味で今後の原点・出発点となるものです。 第2報告は、幼稚園児を対象として、熟知単語・非熟知単語・英語単語等3種の刺戟群をランダム提示し、一定時間後に音声による再生を求めたものです。非熟知単語と英語単語は「意味を理解し得ない」点では同じなので、音節の記憶量(スパン)を測度にすると等しい結果が得られると仮定し得るがもし園児達が「日本語らしい音節のつながり方」を利用するとすれば、両者の記憶量に差が生じると考えられます。今実験を続行中です。第3第4報告は、乳児の発声活動の音響学的解析の技法の改善をめざしたものです。今回は、乳児の「泣き」という一番簡単にとりだせる行動の報告となりました。その心理学的意味・養育者への情報伝達要因の分析視点をたてる為に行いました。 他に、構音障害児の超未熟児(出生体重444g)の治療教育的視点にたったセラピーを週に1回ないし2週に1回の割合で行っています。構音障害児(4才10ケ月)は、出生後4才まで、大動脈転移症の為、気管切開を行い人工呼吸を適用されて来た為、構音活動が行なわれてきませんでした。セラピー当初は構音障害のみが注目されて来ましたが、上記園児に適用した、音節の記憶スパン実験を行なった所、幼稚園児においては7のとこ32-3しかなく、特に、母音のつながり方、イントネーション(単語内)を除去した条件では、記憶スパンは1に減小しました。この事は、構音障害の治療が、これまで、子音のまちがいを補正するという点に注目されて行なわれたことが誤りではなかったかという事を示唆する。むしろ、音節間のつながりを基盤にして発声、構音活動の洗練が必要です。
|