研究概要 |
1.昭和61年度には, 自作回路によるLEDの簡易マックスウェル視と, D/Aコンバータによるその輝度制御システムの開発をし, 予備実験を行った. 輝度の不足により視覚誘発電位の振幅が小さかった. 2.昭和62年度には, モニタースコープを視覚刺激装置として用い, シンセサイザーの制御により, 従来の研究と同等な視覚誘発電位を得ることができた. 3.種々の明暗刺激による視覚誘発電位(VEP)を記録した. (1)ステップ, トレインと提示時間, 間隔の組合せで, 36種類の刺激をプログラムし, GPIBでコントロールした. (2)Oz-Erからの単極導出による視覚誘発電位を, 高感度直流増幅器(NEC San'ei)でDC(直流)およびAC(交流, 時定数0.3s)増幅し, 50回の加算平均をとり, 重み付き移動平均をして解析用のデータとした. 4.明暗順応による直流成分の変動を検討した. (1)DC-ACの差による変動を検討したが, 顕著な差は見られなかった. (2)直接DCの移動平均(低域通過)による変動を検討した結果, 明刺激には上昇(負)の, 暗刺激には下降(正)の変動がみられた. 5.明暗順応過程を加味したシミュレーションを行った. トレイン明刺激を, ON成分には減少, OFF成分には増加のフィルタを通して合成し, 単純なON, OFF成分の合成よりも再現性が高いことを示した. 6.順応過程を含めた明暗視覚誘発電位のモデルの基本形式を提出した. 今後, そのパラメータを決定していく予定である. 7.開発中のEASY(EEG Analysis System)のハードウエアに依存する部分を紹介し, 波形処理のプログラミングの参考となるようにした.
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