研究概要 |
本研究は、ファジィ集合論によるファジィ論理分析の導入により、対人関係における相互の知覚の対応関係を迅速かつ正確,一義的かつ客観的に確定することを目的とするものである。 1.61年度は、対人知覚法のファジィ論理分析によるシステム化を計るため、 (1)Laingらが採用した対人知覚を表す述語表現と、その他若干の対人知覚の述語表現を加えたものに対して、対人知覚の意味的構造を明らかにするため、クラスタ分析を行なった。 (2)上の結果に基づいて新たに対人知覚法(IPM)の改訂版を作成した。 (3)対人知覚法のファジィ・システム化についての理論的展開を行い、小説のなかで織りなされる夫婦の相互関係の現象分析をファジィ分析を適用することによって試みた。この成果は、学習院大学文学部研究年報,33,(1986)に発表した。またFuzzy Computing(Gupta,M,M & T.Yamakawa,eds.),North-Hollandにも論文が掲載される予定である。 2.今年度の成果に基づいて、現在、 (1)、単身赴任者の家族を対象として、夫婦関係の対人知覚の対応の構造の分析を検討中であり、加えて、 (2)職場の対人関係の分析についての研究を進めている段階にある。
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