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1986 年度 実績報告書

眼球運動制御機構の発達と障害に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510057
研究機関専修大学

研究代表者

山上 精次  専修大, 文学部, 助教授 (40111439)

キーワード追跡眼球運動 / 脳損傷 / EOG / 周波数解析 / 視運動機能
研究概要

脳こうそく患者(男性,36歳,T.I)の視運動機能障害とその回復過程を検討することを目的として、発症後6か月時と9か月時の2度にわたり追跡眼球運動の測定を行った。また、ほぼ同一条件下で正常対照者の眼球運動を測定した。
[方法] 被験者の眼前に、運動する光点を呈示するための視標提示装置を置く。光点の直径は視角0.8度、運動の振幅は20度で、0.15Hzから1.20Hzまでの範囲で水平あるいは垂直方向に単振動させる。各周波数の視標に対する観察・追視時間は約20秒とし、この間は室内照明は消灯しておく。セッション間間隔は約30秒間とする。被験者の頭部固定はあご台によって行い、セッション中に被験者の頭が動くようであれば、実験補助者が軽く手で支えるようにする。観察条件は水平・垂直両運動視標に対してそれぞれ(1)左右単眼視、(2)両眼視である。単眼視の場合には、不使用眼は眼帯でおおっておく。
[結果] (1)両眼水平眼球運動に関しては、発症6か月時に比べると9か月時にはスペクトラル・ピュアリティが顕著に向上していることが判明した。しかし正常対照者と比較すると、追跡の「滑らかさ」はまだ十分とはいえない。(2)両眼垂直眼球運動のピュアリティに関しては、正常者でも滑らかさは劣るが、本ケースの場合にはその傾向は一層顕著である。しかも3か月間の機能向上・回復がほとんどみられていない。また、(3)T.Iにおいては、身体的な片まひとの関連から、左右眼の眼球運動機能が非対称的であることが観察され問題視されていた。EOGの結果からも、ピュアリティをはじめとする種々のパラメータにおいて極端に左眼優位の傾向が強いことが見出されている。さらに、(4)T.Iにおいては、上記の眼球運動の障害が、描図などにおいてみられる種々の行動的問題の原因となっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山上精次: 専修大学人文論集. 38. 17-48 (1986)

  • [文献書誌] 八木晃: "適応行動の諸問題" 培風館, (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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