1.本研究の目的は、自由に眼を動かして図形や言語刺激を認知する事態で、眼球運動に付随して生起するラムダ反応の特性を明らかにすることである。 2.本年度の計画は、先ず、マイクロコンピュータを導入し、ディスプレイによる視覚刺激提示システムを作成することであった。脳波解析用マイクロコンピュータを購入し、文字刺激及びランダムパタン発生プログラムを作成して、提示システムを完成させた。 3.次に、眼球運動に付随して、脳波中に出現するラムダ反応解析システムを作成した。水平と垂直の眼球運動及び、複数チャンネルの脳波をA-D変換し、眼球運動終了時に同期したラムダ反応を検出することが可能となった。 4.図形及び文字が混じり合った刺激の中から、特定の図形あるいは文字を検出する作業中の眼球運動と脳波を記録し、上記脳波解析システムを用いてラムダ反応を分析した。その結果、図形刺激検出作業中には、頭部右半球のラムダ反応の振幅が、左半球よりも大きくなった。一方、言語刺激検出作業中には、左半球のラムダ反応の振幅が大きくなった。この知見に関する論文は、まもなく出版される。
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