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1987 年度 実績報告書

視野反転における視覚-運動共応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510066
研究機関甲南女子大学

研究代表者

大倉 正暉  甲南女子大学, 文学部, 助教授 (90093202)

キーワード変換視 / 上下反転 / 左右反転 / 視覚-運動協応 / 頭部運動 / 目標方向と調整方向
研究概要

従来の研究結果から, 頭が静止している場合の(例えば手による)視覚-運動協応課題では上下反転と左右反転との間では成績に差がないのに(吉村・大倉, 1980), 頭が運動する事態, つまり頭による視覚-運動協応課題になると, 上下反転の場合より左右反転の場合のほうが協応動作がむずかしくなって違いが生じることが示唆されてきた(大倉, 1981,1984). このような, 左右反転視効果には, 頭の運動が光点に対してもつ運動制御機能と, 光点視野監視・定位情報獲得機能のいずれがより深いかかわりをもつのだろうか. これを明らかにするために, 今年度は次のような実験を試み, 興味深い結果を得た.
すなわち, 手によってレーザーポインターから発する光点をスクリーン上で目標点まで到達させる際, 視野を狭くした眼鏡のために頭も追随的に運動して光点を視野内に確保するようにせねばならないという事態で, 視覚-運動協応がテストされた. この場合, 手は光点の移動を制御する機能を分担するのに対して, 頭はつねに光点を眼鏡の視野内に保持してその位置と方向の定位情報を獲得すべくこれを監視する機能を分担したことになる.
このような事態でも, 左右反転視野における視覚-運動協応のほうがむずかしくなることがわかった. したがってこの結果は, 左右反転視効果が運動制御機能に関するものというより, 視野監視機能に深く関わって生じる差異であることを示唆しており, 今後の実験的分析を進めるうえで極めて興味深い.
またこの実験では, XYトラッカーとコンピュータで光点の画像位置座標のデータ処理を施して, 運動の出発位置から到達位置までの実運動距離/最短距離・平均実運動速度(運動の効率・節約性)や, 運動方向の屈曲点の頻度(運動方向修正の頻度)など, 新しい反応測度を得ることができた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 大倉 正暉: 日本心理学第50回大会発表論文集. 196 (1986)

  • [文献書誌] 大倉 正暉: 日本基礎心理学会第6回大会発表論文集. 8 (1987)

  • [文献書誌] 大倉 正暉: 日本心理学会第51回大会発表論文集. S64 (1987)

  • [文献書誌] 大倉 正暉: 日本心理学会第52回大会発表論文集. (1988)

  • [文献書誌] 大倉 正暉: 心理学研究. 59. (1989)

  • [文献書誌] 大倉 正暉.吉村 浩一: 基礎心理学研究. 6. (1989)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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