研究概要 |
今年度はマニラ大都市圏の都市構造に関する資料・文献を入手した. これらの資料と1980Census of Populationの統計資料および人口移動に関する文献・資料をあわせて用い, マニラ大都市圏の郊外化現象について1.1948年以前2.1948〜1980年に分けて分析した. 1.においてはフィリピンの社会・経済構造と関連させ歴史的観点より分析し, 2.においては人口・社会統計と資料を用いて, マニラ市を中心核としたマニラ大都市圏の郊外化現象をスラム・スクオッター人口の分布を加えつつ分析した. 今年度の分析により, マニラ大都市圏はマニラ市を中心都市としてケソン市とマカティへと扇形理論を示すように郊外化していることが判明した. また, 1970年以降には1976年のマニラ大都市圏の範囲(National Capital Region)を越えた外周部の農村地域にも拡大郊外化しており, マニラ大都市圏内部と外周部を地区別にみると住民の所得階層区分ごとの居住がみられる地区も存在していことがわかった. 以上のような成果を踏えて, 昭和63年度は次のような研究を進める. 1.マニラ大都市圏の郊外にも分布する貧困層であるスラム・スクオッターに関する分析を1948年〜1983年の期間について分析を行なう. 2.本研究の最終年であるため, 1.に加えて本研究のまとめを行なう.
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