研究概要 |
1.LISRELモデルについては, (1)数学的統計学的構造を明らかにするために, 数値計算法にまでさかのぼって, アルゴリズムの検討を行った. (2)この結果として, ソフトウエアではMILSの改良をいっそう進めることができた. (3)総効果, Q-プロット, 標準化された残査, ホエットラーのCN, 有意性水準の検定, 因果モデルのための真のスコアからの因果関係の構築のアルゴリズムによりMILSも大幅な改良拡張を行なってきた. (4)このプログラムを用いて, 実際のデータを分析してきた. それによって, 社会学的データに対するLISRELモデルの有効性が明らかになった. (5)モデルの改良のために用いられるラグランジュ乗数検定は, 必ずしも修正指数によるモデル改良に劣っている訳ではないことを明らかにした. (6)直接効果と総効果を比較すると, 総効果の大きさが重要な意味をもつことを明らかにした. 2.カテゴリカルデータの解析については, (1)ネットワークモデルについて, クリーク析出の社会学的意味を明らかにするとともに, ハラリーらのアルゴリズムにもとづいて, BASICプログラムを開発した. また, これにより現実のネットワークデータを分析した. (2)カテゴリカルデータでもクロス表については, 基本的なログリニア・モデルを中心として基本的な統計学的構造を分析するとともに, (3)GLIMを用いた分析を行い, また, とくに乗法モデルについての分析を行った. また, GENSTATなどとの分析の互換性をとる方法についても明らかにした. (4)その他, ECTAなどのプログラムについても他の分析方法と比較しながら解を求めてみた. (5)SASなどの統計パッケージにおける連関モデルなどの推定方法を示した. (6)GENCATなどの最小二乗法系のアルゴリズムについても明らかにし, 分析をいくつかのデータを用いて行ってみた.
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