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1986 年度 実績報告書

産業化及び都市化に伴なう地域社会の講造変動と家族アノミー化現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510089
研究機関日本大学

研究代表者

夏刈 康男  日大, 文理学部, 講師 (00112920)

キーワード理論と実証 / デュルケム / マートン / 産業開発 / 地域社会変動 / 家族アノミー
研究概要

本研究の主要目的は2つに分けられる。1つは家族アノミーの概念をデュルケムとマートンの理論的研究によって確定すること。第2にそれらの理論研究に基づいて産業開発に伴なう家族アノミーの実証的研究を行うことであった。特に実証的研究は産業開発が地域社会の構造を急激に変動させ社会生活と家族生活にいかに不安や犠牲を強いてなされているか、ということを明らかにすることにあった。研究目的にそって、まず理論研究から家族アノミー現象とは急激な産業化に伴なう家族の地域社会変動への不適応や、家族諸機能の衰退による家族社会の集合的規制作用力の弱化から家族成員の精神的心理的不安感が増大し、個人的欲望の拡大、情念の沸騰それに家族社会秩序の混乱と崩壊である、という概念を得た。本研究はさらにそれらの概念を社会調査の質問に生かし現に存在する産業化に伴なう家族アノミー現象を浮き上がらせなければならない。即ち、より適格に調査地における家族アノミー化傾向を読みとるためにはそうした理論的把握とそれに基づく概念装置をつくり、さらにそれらを具体的に調査票に文章表現し、調査によってアノミー現象を読みとらなければならない。そこで理論研究からアノミー化現象を読みとるべき指標として次の分析要素をおくこととした。(1)個々人の欲望の拡大化(2)社会生活,家庭生活の不安感(3)あきらめ(4)急激に変化する社会環境への不適応である。これら4つの要素が同時に認められなくても1つでも認められれば家族アノミー化現象にあるとみる。こうした理論的知見とさらに既存の資料を収集分析し首題にそった研究対象地を富津市に決定,調査を実施した。そこから埋立てによる産業開発により伝統的地域社会結合が解体し社会生活や家族生活に極めて深刻な事態をつくり出していることが判明した。データのより詳細な分析と解明はさらに補充調査を経て62年度に完成させる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 夏刈康男: 社会学論叢. 第100号. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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