研究課題/領域番号 |
61510116
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴野 昌山 京大, 教育学部, 教授 (40025101)
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研究分担者 |
石戸 教嗣 京都女子大学, 文学部, 講師 (80135491)
竹内 洋 京都大学, 教育学部, 助教授 (70067677)
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キーワード | しつけ / 社会化 / 教師 / 母親 / 幼稚園 / インタラクション |
研究概要 |
1.幼稚園教師と園児の母親との面談調査 教師と母親との面談場面を録音テープに記録し、会話分析(エスノメソドロジーの一手法)によって考察した。面談の中で、教師と母親は、子どもについて類型化を行ったり、それを読みかえる過程で「しつけ」上の問題点や課題を発見する。その際、発達可能性という考え方が問題発見のときの読みかえの根拠に使われ、必ずひとつは課題が発見されるが、それは「小さな心配」として、母親らしさを確認する手段に使われることが分った。教師の側も、ある特定のしつけイデオロギーを押しつけることをせず、幼稚園場面でルーティーン化された行動パターンを日常化していくことで満足しているようである。 2.こども教育電話相談の分析 しつけの現代的状況を考察するため、NHKこども教育電話相談をテープ録音にもとづいて分析し、母親がしつけ・社会化エージェントとして役割遂行するさい、自己のアイデンティティ確認を行うため、カウンセラー(電話相談の相手)の回答の中の説明、理由づけを自分なりに解釈し、母親らしさの確認を行っていることが分った。ただし相談の結果、しつけに関する「不安」が解消される気配はあまり見られない。 3.幼稚園における観察と質問紙調査 園児の幼稚園における行動を観察し、集団行動の中での同調性と個別的な逸脱的行動とが初期においては大きく対立する場面があることが知られたが、日数を経るにしたがって、そのような対立点が少なくなり、社会化されていく様子がうかがえた。なお、園児の母親に対して、質問紙を配布し、しつけについての意識およびエージェントとしての働らきかけの様子を尋ねた。目下、統計的に処理・分析中である。
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