研究概要 |
本研究の意図は, このテーマに関する我国最初の研究成果であることに鑑みて, 信頼できるデーター・ソースは何か, それはいかなる意味づけ(制約条件)のもとで使用可能であるか等, 基礎問題の解決にとりくんだ. 以下, その結果を列記する. 1)染方仲の統計史料の集成は, 有用な作業であるが, 集積効果が充分に発揮できず, 個々のデーターも原史料で再確認する必要がある. 2)中国人口史の人口数は, あくまでも相対的, 比例的なもので絶対数ではない. 相対数としての性格をうまく活用しているのが, マーク・エルビルやギルバート・ロズマンである. 3)我国の研究は, 部分的な史料の分析などに有効性を発揮しているが, 全体系性において, エルビンやロズマンの手法に学ぶべき点が多い. 4)G.W.スキナーの手法に対し, 批判付再検討を行ない, 今後の雇用においては, エルビンやロズマンの手法を発展させることが有効であると論じた.
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